ノーサイド

　ヨドバシカメラでの待ち合わせまで1時間半。映画を観るのは無理がありそうだし、一杯100円のコーヒーで粘るのは失礼だし、かといって凱旋を打つのは無謀だし、さてどうしたものかと思案を巡らせていたら、運がいいのか悪いのか、目の前にパチ屋がありました。

　ハナビかディスクかバンバンか。待ち合わせまであまり時間がない点を考慮すると苦手なジャグ以外のボーナスタイプが妥当と言えますが、憎いアンチクショーがスロットフロアに上がるエスカレーターの横に設置してあるのを目にしてしまった以上、素通りするわけには行きません。今日こそぶっ飛ばしてやる、いや、ぶっ殺してやると鼻息荒く適当な空き台に着席したのが、いま思えば大失敗でした。

　ノーサイドゲームの最終回よりも長いリーチは、どれだけ強いパターンが絡んでも全部ハズレ。それを幾度となく観させられたことも頭にきますが、それ以上に頭にきたのは概ね5分に1回発生する液晶ビタ止まり。当らない、回らない、やるせない、ないないづくしでやりきれないとはまさにこのことです。結局、この日も当たらず二万負け。最後に四千発弱の小当りを射止めたのは元禄二年ですから、かれこれ330年ほど当りに見放されている計算になります。どう考えても弱すぎ。まるで君嶋GM就任前のアストロズです。

　アスファルトを何度も蹴り上げながらヨドバシカメラに向かい、洗濯機のある6階フロアで我が家の財務大臣と落ち合い、最近調子がすこぶる悪い洗濯機を買い替えるべく、日立やらパナソニックやらシャープやらの最新機をチェックして回ったのですが、価格はどれも10万以上。最終的にAIが洗い方を自動で判断する最新の洗濯機を買うことになったのですが、一応言っておくと「ひとりじゃ～ないから～」のAIが洗濯してくれるわけではないので念のため。
出典：AI Story

「いや、他で買ったほうが安いぞ」

　価格.comでしっかりチェックするあたりはさすが財務大臣。ポイント還元やリサイクル料金、設置料金などを考慮しても近くの量販店で買ったほうが断然安いというので、そちらで購入したのですが、如何ほど安くなったのかという私の問いに対し「2万」と返ってきたので、パチの負け分を考えると実質チャラ。ただ、もう既に購入してしまったということは言ってみれば試合終了なので、とりあえず今回はノーサイドということにしておきます。