物は言いよう～犯罪列島2021～

　負け屋と言えば聞こえは悪いですが、投資家と言えば聞こえはいい。朝イチから手付かずで放置されている台と言えば聞こえは悪いですが、無限の可能性を秘めた台と言えば聞こえはいい。下見だってそうです。専業やプロが言えば真面目というか勤勉なイメージを抱きますが、札付きのワルだった頃の中武のアニキやイッチーが言えば下見する先はパチ屋でなく空き家だと考えます。って、のっけから何を言っているのか自分でもよく分からなくなってきたというか、最後のはちょっと違うような気がしないでもありませんが、要するに「物は言いよう」ということが言いたいのです。多分、メイビー、パーハプス。

※あくまでもイメージであって、本文とは一切関係ありません。

　数年前、私の知り合いが空き巣に入られました。被害総額は約200万、棚の引き出しに入れておいた現金約150万とロレックスを盗まれたのですが、知り合いは犯人の目の付くところに現金を置いておかなかったことをとても後悔していました。何故なら空き巣犯の多くは短時間で仕事を終えたいと考えているため、目の付くところにある程度の現金があればそれだけ持って立ち去るケースが多いと、中武のアニキでなく事件を担当した刑事に言われたのだそうです。

※こちらも本文とは一切関係ありませんが、空き巣犯はまだ捕まっていません。

　その話を聞いてから私も空き巣対策としてリビングのテーブルの上に常に現金を置くようにしています。金額にしておよそ5万円くらいでしょうか。仮にもし、空き巣に入られたとしても5万円で済めばラッキー、デリヘルを呼んだ際「王様のブランチ見た」でションベンのオプション料金が無料になるくらいラッキーだと考えられるからに他なりません。

　テーブルの上に置いてある現金が何故だか少しずつ減っていることはそれとなく分かっていたので、そのたび現金を継ぎ足し、継ぎ足し、老舗のうなぎ屋みたいなことをしていたのですが、先日、置いてあったはずの現金がすべてなくなっていました。恐らく犯人は合鍵を持っている少年。とりあえず任意で引っ張り、事情を説明するよう求めたところ、なんら悪びれる様子もなくハッキリとした口調でこう言われました。

「パパ活だよ。健全なパパ活」

　なるほど、物は言いようとはよく言ったものです。いや、むしろ上手いことを言うなと感心したので翌日からテーブルの上に置く現金を10万に増額しておきました。

※時計やアクセサリーに手を付けたら前歯叩き折ります。