公開日: 2020/06/24
ゴルファーはハンディキャップ一桁のシングルプレイヤーを目指すものですが、我々サウナーが目指すのは、水風呂の温度一桁台を示すシングル。通常、水風呂の温度は15度〜20度に設定されていることが多く、シングルの水風呂は滅多にお目にかかれるものではありません。
最初の頃は20度の水風呂でも「あひゃひょわー」と言いながら入っていたというのに、最近では身体が慣れたのか、その程度の温度ではととのわなくなってきており、そうなると当然、少しでも低い温度の水風呂があるサウナを求めるようになりました。
より冷たい水風呂に入りに行く。
リュウが強い奴を求めたように、僕もより繊細且つ濃厚な「ととのう」を目指してシングルの水風呂を検索したところ、おいおい、あるじゃねぇか。全国にも数件しかないと言われているシングル水風呂を擁するサウナが、これまで何回も足を運んでいる福岡県にあるじゃねぇかよ。こりゃ中洲で遊んでる場合じゃねぇぞ。
このサウナ施設には強弱二種類の水風呂があり、強のほう、つまり、より冷たい方の水風呂の温度は、なんと5度。
5度ですよ、5度。
サウナの本場フィンランドでは、水風呂のかわりに雪や湖にダイブすると聞いたことがあるのですが、その冷たさを日本でも再現しようとしたのでしょうか。普段15度くらいの水風呂に入っているので8〜9度くらいなら何とかなるでしょうけれども、10度の差はさすがに…。やっとダイヤモンドダストに慣れてきたのに、突然オーロラエクスキューション撃たれたら生死にかかわりますって。
しかし、シングルの水風呂があるくらいの施設ですから、当然、サウナも充実しています。高温でありながら適度な湿度を保つフィンランドサウナはもちろん、薄暗い小屋の中でセルフロウリュが楽しめるサウナ、そしてさらに、おひとり様専用サウナの「からふろ」があるのです。
からふろとは、2畳ほどの狭く暗い部屋の中にサウナストーンとセルフロウリュ用の水が置いてあり、室内の雰囲気は「サ道 5」で紹介したロフトサウナに似ています。
座禅を組んで瞑想するもヨシ、畳の上に寝転がって汗をかくもヨシ、好みの湿度に調整しながらその空間を独り占めできるなんて、なんと贅沢且つ素敵なことでしょう。ここなら打倒シングルの特訓にうってつけなので、1セット目はからふろに入ることにしました。
何分くらい経ったでしょうか。
あまりの気持ち良さに1セット目だというのについつい長居をしてしまい、どっさりと汗をかいています。
よし、準備は整った。
俺は、より冷たい水風呂に会いに行く。
頭の中ではストIIのリュウステージのBGMが流れ、完全に銭湯モード…もとい戦闘モードに入り、汗を流して5度の水風呂に向かいました。
こういうのは躊躇ったが最後ですから、ビビって足先から入るようなことはせずに、身体を投げ入れるようにして一気に行くのがベストだと僕は知っています。知ってはいますが、5度を前にしてそれは決して簡単なことではありませんから、5度も15度も変わらねぇよと自分に言い聞かせ、ファイトの掛け声と共にええいままよとダイブすると…
冷っ……痛っ！！！
痛たたたた……冷たっ！！！
冷……痛い痛い痛いっ！！！！
ソニックブームでも喰らったかのような肌を裂く痛みに襲われ、いつもならば1〜2分は水風呂に浸かっているというのに、この時ばかりは10秒ほどでダウン。何もできずにパーフェクト負けを喫し、ガイルに30000点入りました。
いやいや、完全にナメてましたよ。5度。
大袈裟ではなく、その後に入った通常の水風呂がぬるま湯に感じてしまうほど、一気に全身が冷却されるので、その後の休憩時の気持ち良さもひとしおです。
最近ととのいにくくなってきたなぁと感じてるいるそこのアナタ、是非シングルの水風呂をお試しください。
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