僕にその手を汚せというのか

昔は指が真っ黒になるまでよく遊んだものだ――。

と書くと子供の頃の思い出話のように思えるがこれはパチスロの話だ。大量出玉を出したときなんて、それこそ本当に指は真っ黒になった。とくに私はレバーとボタンの操作を左手で行い、右手は常に下皿のコインに触れながら打つので他人よりも指は汚れやすかった。

そして、トイレに行ったらまず手を洗って指を綺麗にしてから用を足して再度手を洗うというのがルーティーンだった。面倒だけれども指を黒くしたまま己の聖剣（エクスカリバー）に触れるというのは衛生的に良くないのでそうせざるを得なかった。

あと、トイレというと最近はあまり見かけなくなったがスロット専用のハンドソープ（スクラブ入り）なんてものも多くのホールで置いてあった。

だが、時代は変わる。今から約1年半前に新たなスタイルとしてスマートパチスロ、略してスマスロが登場した。スマスロの最大の特徴はコインレス、コインを使用せずに遊技することができる。そのおかげで長時間打っていても指が黒く汚れることはなくなった。

スマスロ導入当初は操作に慣れていない人が多かったり、空き台確保でトラブルがあったりと先行きが不安なスタートだったが、今ではすっかりホール内で存在感を示しており設置機種の半分近くがスマスロなんてところも珍しくない。

かくいう私もここ最近はスマスロばかり打っており、それに慣れ過ぎてコインありの機種を打つとき「ちょっとめんどくさいな」と思うことがある。それに加えて、私は指先が荒れやすい軟な体質なので払い出されるコインが指先（主に下皿に入れている右手）に当たって、思いっきりささくれができてしまう。

少し前に半日ほど打ったら指はこんなになってしまった。

もちろん、スマスロが登場するまでは打つたびにささくれフェスティバルだったので、指につける液体ばんそうこうは私にとって必需品だった。でも、それも過去の話になろうとしている。

指が汚れることなく、コインが詰まることもなく、エラーもほぼ起きない、快適無敵なスマスロ。今後はどんどんコインありの機種は減っていき、最終的には全機種スマスロになる…もしくは、今の30パイコーナーのような感じでコインありコーナーとして一部の機種のみ存在し続ける、そんな感じになるだろう。

有利区間のないノーマルタイプはスマスロにするメリットがないと思う人がいるかもしれないが、時間をロスすることなくめっちゃぶん回せるようになるので高設定をツモったときの期待収支はきっと大幅にアップする。

――長時間打ち終わったあとでも綺麗なままの指先を見て、時代の流れを感じる。今後、パチスロはどう変化しているのだろうか。良い意味でも、悪い意味でも。

ただ、どんなにパチスロが変化しても打ち終わったあとに私の財布が軽くなるという現象は変わりそうにないので、スマート（賢い）な遊技、スマ遊が求められている気がする。

1月、2月はプラス収支で終えることができたが、3月はかなり怪しくなってきている。