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スロカイザー

畑の錬金術師

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公開日: 2019/01/14

 

パチも勝てず、スロも勝てず、競馬でも勝てず、恋人もできず…

 

2018年から2019年に変わっても何も良いことが起きない。このままでは昨年以上に負けてしまう、このままでは独身街道を突っ走ってしまう。このまままでは「この〜」と叱ってくれるママができないかもしれない。

 

どうすれば良い、どうすればこの危機的状況から脱出できる。

 

私は考えた。考えて考え抜いたが、考えてもヌくことしかできないので、考えるをやめた。

 

鉱物のようにじっと動かず、ただFANZAの動画を見ている日々が続いたが、ある日、ふと閃いた。

 

「そうだ、こんなときこそ畑システムを使おう」

 

畑システム…それはパチスロ必勝本に古くから伝わる必勝法で、畑ヒロフミ氏にお金を預けて勝負してもらい増やすという画期的な手段だ。

 

後輩ライターである畑ヒロフミ氏はクズだ。性格に色々と問題を抱えているが、勝負事はめっぽう強い。

 

パチスロが上手というだけだなく、彼が競馬で負けているところを見たことがない。お金があると夜のお店に通い続ける交配ライターなので、いつも金欠状態だが賭け事はとにかく強いのだ。

 

ということで、113日(要するに昨日)の朝、畑ヒロフミ氏と一緒に中山競馬場まで足を伸ばした。

 

 

カ:「よし、3万円預けるから増やしてきてくれ」

 

 

畑:「ぐへへ、任せてくださいよ。この“歩くディスクアップ(期待値が高いという意味)”こと、畑ヒロフミにお任せください」

 

カ:「うむ、頼もしいな」

 

 

畑:「ところでカイザーの旦那、自分の取り分はどれくらいですか?(ゲスな笑みを浮かべて)」

 

カ:「そういうところは、抜け目がないな。そうだな、勝ち分の50%でどうだ」

 

畑:「しゃっしゃっしゃっ、気前がイイですね。流石、皇帝の名前は伊達じゃない。まあ、大船に乗ったつもりで待っていてください」

 

一見すると私が3万円を失うリスクを背負っているだけのように見えるが、それは違う。私は現代に生きる錬金術師を頼っているのだ。

 

そして、昼過ぎ。

 

 

カ:「どうだ、調子は?」

 

畑:「あー、もう楽勝ですな、楽勝」

 

カ:「ほほう、流石だな。ちなみにどれくらい勝っているのだ?」

 

畑:「…え、ええ、それはもういっぱい勝っているので期待していてください」

 

なんて頼もしいのだ。やはり、私の判断は間違ってはいなかった。困ったときは畑ヒロフミ頼りだな。

 

で、夕方過ぎに最終レースが終わった。

 

私が畑ヒロフミ氏の様子を見に行くと、彼は1枚の馬券を握りしめていた。よく見てみると、それは大穴狙いで失敗したハズレ馬券だった。

 

カ:「その手に持っているのは何だ、まさか貴様…っ!?

 

畑:「安心してくださいよ、旦那。最終レースはハズれましたが、しっかりと勝っていますから」

 

絶対に嘘だ。最後に逆転狙いで大穴に賭けたとしか思えない。ああ、もうオチが判った。

 

 

一番最初のこのポーズは錬成のポーズではなく、「ごめんなさい」と謝っていたのだな。はいはい、畑ヒロフミ氏を信じた私がバカだっ…

 

 

た。えっ、ウソ。マジでっ!? 43220円換金…だと!?

 

畑:「どうですか、カイザーの旦那。これが自分の実力ですよ」

 

「ごめんなさい」は私のほうだった。君を疑って悪かった。ありがとう、ありがとう。

 

えーと、+13220円ということは、50%は畑氏の取り分なので1人+6610円か。

 

いやっほー、畑ヒロフミ氏を信じて良かった

 

畑:「まずは3万円を返して…。はい、これが今日のプラス分です」

 

 

ジャラジャラ

 

…あれ、私の見間違えだろうか。明らかに少ないぞ。

 

カ:「畑氏よ、金額がおかしくない?

 

畑:「あ、最後まで換金しなかったので途中で3万円を使い切って、自腹で追加投資をして

 

投資額:41700

換金額:43220

収支額:+1520

1人+760

 

ということです」

 

なるほど、なるほど、そういうことか。少しガッカリしたが、プラスはプラスだ。

 

いやっほーい、760円の不労所得をゲットだ!!

 

もし、皆も勝負事で困ったことがあったら、畑ヒロフミ氏を頼るといいだろう。

 

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