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諸積ゲンズブール

サ道 3

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公開日: 2020/03/17

水風呂の温度が低かったりタオルが使い放題であったりと、良いサウナの定義、サウナに求めるものは人それぞれですが、僕にとってのそれは、何をおいても人の少なさ。ややもすれば隣の人と肌が触れ合ってしまうほどギュウギュウのサウナ室では、リラックス効果は半減してしまいますから。

そういう意味では、都内よりも地方のほうが、僕にとっての「良いサウナ」は多いような気がします。
 
 
先日、移動の合間に、東京都は台東区にあるサウナに行ってきました。ドラマ『サ道』の舞台になったことでも知られるこのサウナは、駅から徒歩1分という好立地で、一番短いクイックタイムであれば、3時間1400円というリーズナブルな料金で利用することができます。
 
よくもまぁこの立地で、この価格設定でやっていけるなぁ…なんて感心しながらフロントに向かうと、まずはドラマのポスターと出演者のサインがお出迎え。芸能人のサインが飾ってあるメシ屋は2割増しで美味しく感じるといいますが、果たしてサウナにそれは当てはまるのか。かつてサファテのサインが飾ってあるラーメン屋がクソまずかった経験を持つ僕は騙されないぞと思いつつ、受付を済ませて浴場へと向かいました。
 
 
カラカラカラ
 
浴場への戸を開いた次の瞬間、目に飛び込んできたのは溢れんばかりの人ヒトひと。週末ということもあってある程度は想定していたものの、それを遥かに上回る人の数に驚きを隠せません。
 
この分ならサウナ室もきっと混んでるよなぁ…なんて思いながらいつものように髪と体を洗い、水気を切ってサウナ室に向かうと、案の定座る場所もないほどにごった返していました。
 
え。何なのこれ。都会のサウナはどこもこうなの。てか隣の人との距離近すぎない? 人類皆兄弟? 猿人不打猿人? アベイジングエイプ。
 
 
ドラマやアニメのロケ地を『聖地巡礼』と称して訪れるファンが多い今日この頃、このサウナも例に漏れず、サ道ファンで埋め尽くされているのでしょうか。
空かぬなら 殺してしまえ サウナ室。時代が時代なら信長気質な僕はそうなったかもしれませんが、ここのサウナは100度を超える高温でも有名ですから、どうせすぐ空くだろうと、いろはに愛姫の背後に立って他人の台を設定推測する輩のごとく、ベガ立ちで待つことにしました。
 
すると、ものの数十秒で空きましたので、機械割104%ならぬ室温104度の実力や如何にと座ってみると、まるで人間オーブントースターのごとく肌がジリジリと熱されていき、10分持たずにギブアップ。数分しか耐えれなかった自分に少し物足りなさを感じましたが、サウナは何分入るかじゃなく、水風呂を欲した時が出る時だとUOMOに書いてありましたのでヨシとします。
 
 
その後、いつものように水風呂を済ませたら、最後の仕上げは外気浴。このサウナの一番の魅力は100度超えのサウナ室でも水風呂でもなく、店名に恥じない、本場さながらの外気浴スペースにあります。
大都会にありながら、星空の下で風を浴び、横になり、かてて加えてその格好は素っ裸とくれば、ととのわないはずがありません。
 
さぁ、あとは血管のポンプ作用を感じながら目を瞑れば、恍惚感と多幸感が体全体を支配し………
 
 
 
 
 
 
あのー…諸ゲンさんですよね?
 
 
 
 
 
 
えぇぇぇぇ!?
いま!!?
ここで!!!?
タイミング!!!
色んな意味でタイミング!!!
 
 
 
水風呂のせい(あくまでも)でシナッシナのショボッショボになったゲンズブールのゲンズブールが露わになっているこのタイミングで声をかけられては、どんなにいい外気浴スペースであろうとも…ね。
いや、プライベートで声をかけて頂くこと自体は全然構わないのですが、せめてゲンズブールのゲンズブールが元気な時にお願いします。
 
 
やっぱりぼかぁ、人の少ない地方のサウナの方が好きだなぁ。
 
 

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