さっさと地元に帰れバカ。

　東京にいるときは多くても二週に一回、気の置けない後輩に病み期が到来すると週一回くらいのペースになるでしょうか。どちらかというと弱いほう、嫌いじゃないけどそこまで好きではないという感じなので、自分から誰かを誘って飲みに行くということはほとんどありません。というか、家の冷蔵庫にビールやストロングゼロは一切ありません。

※アップル味のビールは女、子どもが飲むものらしく、注文すると高確率で笑われます。

　ところが、セブで生活していると多いときで週五回、少ないときでも週に三回は飲んでいるのです。こちらには何故か友達未満、知り合い以上が複数人いますので、一緒にいると「飲もうか」みたいな空気になり、深夜遅くまでダラダラ飲むのですが、それにしたってこのペースはちょっと異常。何故、自分も含めみんな酒ばかり飲んでいるのかと考えました。それは多分、セブに住む日本人には酒以外の娯楽がないからです。

※酔っぱらって垂れ下がった電線を胸に当て西川君の真似をしているみたいです。

　キムラによると飲んでいるときの私は文句ばかり言っているそうです。いま住んでいる部屋が懲罰房みたいだとか、近所の飯屋はマックとステーキ屋しかない、いや、そもそも美味い物が存在しないとか、バスタブの排水溝がすぐ詰まるとか、蚊が多いとか、もうずっとセックスしてないとか、そんなことばかり言っているようでかなり年下の友達未満、知り合い以上に「そんなこと言うな」とよく怒られているのです。

※キムラの趣味はタバコの1本買い、特技は手で飯を食うこと。詳しくはパチスロ必勝ガイドの「四十六の手習い」をご覧ください。

　先日、地方から東京に遊びに来たであろう同業者、いや、同業者だとは露ほども思っていないのでパチ関連のお仕事をしている知らない方としておきましょう。その方、東京の地下鉄の乗り方が分からなくて頭に来たのか、それとも世間の注目を集めたい一心でそう言ったのか、SNSで東京メトロと銀座線を汚い言葉で罵り始めたのです。

　それを見た瞬間、どうぞ今すぐ地元にお帰りください、アンタなんかに来てもらわなくても東京はひとつも困りません、大丈夫ですと言いはしないけど思いました。私の大好きな東京をディスられてイラッとしたというか、ここで書いている時点で私の負けであり、向こうの思うつぼなのですが、あれ、ちょっと待てよと。よくよく考えてみたら、これって酔っ払ってセブの文句を言っている私とまるきり同じではないかと。

　東京であれ、セブであれ、その地を愛して止まぬ人たちがいるのだから、公の場で文句や悪口を言うのはもう止めよう。今日から心を入れ替え、セブの美点だけを皆様に発信していこうと心に誓った次第ですが、もうかれこれ30分以上もバスタブに水が溜まったままの状態ですから、文句は言わないにしてもセメントを探すくらいのことはしてもいいですよね。

※排水溝の掃除を鈴虫君にお願いすることも考えました。絶対につまらないから。