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塾長

お残しする人の気がしれない

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公開日: 2023/09/15

 

 なにを、どれだけ注文しても構わない。なんならその店で一番高いものを致死量注文しても構わない。その代わり自分が注文したものには責任を持て、絶対に残すなということをフードロス問題が深刻化する遥か前、終戦直後から口うるさく言ってきたからでしょう。少年と焼き肉を食べに行くと私たちのテーブルの上は常に閉店5分前のカバネリのシマのよう。見る人が見れば、お貧しい家庭と思われるかも知れません。

 

 

 

 

 別段、これは家族に限った話ではありません。私はいわゆるお残しをする方が男女問わず苦手です。とりわけ会計のとき、財布を出すフリすらしない図々しい後輩と焼き肉を食べに行って、ファーストオーダーの段階でやれ特上カルビだ、やれ極上厚切りタンだ、やれシンシンだ、やれチンチンだと、自らの胃袋のサイズも考えず頼めるだけ頼んでテーブルの上がこれから一家心中する家族の最後の晩餐、或いは中武先輩の放免祝いみたいになっているのを見ると、コイツ品がないな、お里が知れるなと思うと同時にこうも思います。どれだけ頼んでも構わないけど、お残しをしたらお前ら全員生きて帰れると思うなよと。

 

 

 

 

 女性もそうです。コース料理は概ね3皿目ギブアップ大西。魚と肉、双方のメインをほぼ残すという支払い担当の私にも、調理担当のシェフにも失礼なスケといい店で食事をすると、とても嫌な気分になりますし、今後はひとり二千円以下の店にだけ連れて行こうという風になります。無論、お前みたいなスケとはもう二度と食事しないとキッパリ言えたらどれほどカッコいいかとは思いますが、やはり私も男ですから一発ヤルまではそう強気なことは言えません。というか、いい店に来ているのにコースの前半でパンを何度もおかわりするんじゃないよこのバカメスが。

 

 

 

 

 ともあれ、お残しをして店を後にするヤツの気が知れない、親の顔が見てみたいという風なことをつい数日前、ぼちぼち値の張る店で食事をともにした知人に言ったところ、あにはからんや、こんな剛速球が返ってきました。

 

「俺はARTを三桁残してここに来たお前の気が知れない、親の顔が見てみたいよ」と。

 

 

※待ち合わせに遅れてしまうからと、この状態でヤメたのに、まさかあんなことを言われるとは夢にも思っていませんでした。

 

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