憂き目に遭わぬ台選び

　十年前が第一次だとすると今は第二次ということになるのでしょうか。昨年の十一月以降、来店案件は右肩上がりで増えておりまして、演者という一般の方が聞いたら舞台俳優かなにかと勘違いしてしまうであろう得体の知れぬ人たちも雨後の筍のように続々と現れ、第二次来店バブルの本格的な到来を実感している次第です。ずっと右肩下がりの私のペニスとは大違い、右肩上がりの第二次来店バブルを見習って欲しいと切に願っております。

　基本的には初見、或いは初見に近い店にポンと放り込まれて打つのでよほどのことがない限りツモれません。無論、ここでいうよほどのこととは見えないはずの最高設定がハッキリ見えるという超能力的もしくは違法薬物的なものだったり、寝心地のいい枕を責任者にプレゼントして嫁の愚痴や「もう別れようかな」という嘘っぽいセリフを然るべき場所でうん、うんと分かったような顔して聞いていたりというもの。毎回一発でツモって延長してブッコ抜いている演者は間違いなくそのどちらか。ワンチャン、昼も夜もブッコ抜いている可能性ありです。知らんけど。

　第一次バブルのときもそうですが、私はギャラを頂戴しているのでチャラで帰れれば御の字だと多分思っています。私よりも来てくれたお客様がツモって出してくれればいい、それがなにより嬉しいとホントか嘘か、表向きには言っておりますので、負けて悔しくて延長することはたまにあっても、ツモっていることを理由に延長することはありません。私が欲しているのは目先の銭より好感度なので、軍団以外の負けているオジ、オバに最高設定を譲ってさっさと家に帰ります。

　そう、皆様には勝って欲しい。だから台選びは慎重にというのが今回の肝です。第一次来店バブルのときは店が来店するライターのSNSをチェックしたり、代理店の人間に打ちそうな機種を聞いたりして、ライターに寄せるホールが一定数ありました。きっとそのときのことを覚えているのでしょう。私の来店ではハナビやディスク、クランキーなどの技術介入系マシンが真っ先に埋まることがたまにあるのですが、私の日々のポストをご覧になればお分かりのように、どこの店でもハナビの最低設定を打たされています。そしてしっかり負けています。さらに言うなら今年収支がプラスになった月はありません。

　どこの店も最低設定で機械割がプラスに転じるマシンにわざわざ高設定など入れません。グループ全体で推し機種がある大手法人ならなおのことです。私たちみたいな職種の人間が客を寄せるパンダであるということは重々承知していますが、店がパンダに寄せることは基本的にないので、その点はくれぐれもご注意を。