オカルトは効果なし

　筐体をおしぼりで拭く、お願いしますと声に出して言う、頭でレバーを叩く、レバー玉を彼氏の亀頭感覚で撫でる。私とて高校くらいは出ていますからこれらの行為が複数店舗を回る来店取材の朝イチ抽選くらい無意味だということは重々理解しています。やったからといって当たるわけでなし、強チェリーを引けるわけでなし、ましてや隣の台の連旋が失敗に終わるわけでなし。実際、今日も隣の台の連旋は伸びに伸びていましたから効果がないことは実証済みなのですが、なにかにすがりたい、藁をも掴みたいと思うその気持ち、現在七連敗中の私には痛いほどよくわかります。

※これまで一度も成功したことがない点、先輩には学習して欲しい。

　無論、打ち手が下手に出る、いわゆるお願い系とは真逆の不貞腐れ系もこれまで何度もやってみました。いや、嘘はよしましょう。現在進行形でやっています。小声で「ぶっ飛ばすぞこのクソが」と言ってみたり、監視カメラをこっそり睨んでみたり、心の中でド派手に台パンしてみたり座ったままオシッコしてみたりということを何度も試してみましたが、それらをやってみた結果、七連敗。出やしませんしスッキリもしませんのでこちらもやはり効果なし。目立ってしまうとアホだと思われるのでこっそりやることが肝要です。

　ただ、自らを奮い立たせると同時に台にやる気を見せるという意味でやっているオカルトがひとつだけあります。それはなにかと言うと台の上にある空のドル箱に十万円分の紙幣を突っ込む、或いは液晶画面と筐体の隙間に一万円札を複数挟むオカルト打法です。基本的に私はボーナスタイプメインですから大三枚入ればほぼ負け確、あとはいくら取り返せるかの勝負になってきます。貴様を閉店まで、いや年明けまで打つだけの軍資金はある。とことんやってやってもいいんだぞという気概を見せれば半分とは言わないまでもビッグ二回分くらいは返ってくるのではないか。そう思ってこの七連敗中はほぼ毎回やっているのですがやはり効果なし。いや、紙幣だけに硬貨なしとしたほうがしっくりきますでしょうか。クソが。