
公開日: 2025/10/05
先週のコラムで書いたシルバーシートの咳払いクソババアを覚えていらっしゃるでしょうか。タダ乗りシルバーパスでトレーニングジムに通うくらい元気なのに、執拗な咳払いで暗に席を譲れと、誕生日を間近に控えたブスな女演者くらい猛アピールしてきやがった例のクソババア、彼女に足りないものはなにかと考えてみました。三秒ほど考えてみましたところ、謙虚さと若さともうひとつ、優しさではないかとの結論に達しました。
※上の前歯のセラミックを入れてから、かれこれもう十年以上通っていますが、終わる気配はいっかななし。きっと荼毘に付すそのときまで通うのだと思います。
今週の火曜日、いつ終わるやも知れぬ巣鴨の歯医者に行きました。坐骨神経痛を患ういまの私に国道17号の点滅青信号を渡り切ることはまずもって不可能、業界きっての目押し汚字さんとして知られる中武先輩のダイイングメッセージを読み解くくらい不可能なので信号機に掴まりながら待っていると、横断歩道の中ほどで私より足の悪いバアサンがこちらに向かってよぼよぼと歩いてくるではないですか。救出に向かおうにも今の私にはマジ不可能。ハラハラしながら見ているとどこかの女子高生がサッと駆け寄り、左手でバアサンの手をしっかり握り、右手をラオウのように天高く突き上げ、横断歩道を渡ってきたのです。
※事件現場
めちゃくちゃ感動しました。マッドマックス怒りのデスロードを遥かに上回る感動を彼女は私に与えてくれました。感動のあまり、女子高生に「あとで楽屋に来なさい、小遣いあげるから」と言いそうになりましたが、それはちょっと違うかなと思ったので、率直に「君は優しいね。感動した、ありがとう」とだけ伝えました。ちなみに、その女子高生は文京学院大学女子高等学校の生徒、私が文科相なら感謝状と千円のクオカードを渡します。
火曜サプライズはまだ終わりません。右奥歯をゴリゴリ削られた後、巣鴨駅に向かうと今度は下りエスカレーターの手前で白杖を持った視覚障害者の方がいました。ちょっとたどたどしい足取りだったので手助けをしてあげたいと思ったのですが、何度でも言います。私は坐骨神経痛で右足を引きずりながら歩いています。私には荷が重すぎると忸怩たる想いでエスカレーターを下ったのですが、ちょっと心配だったので上のほうを見てみると、どこかの大学生と思しき若い男性が白杖の方に声を掛け、寄り添っているではないですか。
まだまだ日本も捨てたもんじゃない。加藤やさしさ以外にも優しさを持ち合わせた若人がこの国にはたくさんいるじゃないかと感心しながら、その一部始終を微笑ましく眺めていたところ、下りエスカレーターの終点で大転倒。右足を痛めていることもありなかなか立ち上がることができなかったのですが、どういうわけか誰一人として私に声を掛けてはくれませんでした。
※これは店舗へのサイン色紙なのでかなりキレイに書いているほう。皆様の持っているサイン色紙と比べてみてください。
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