勝利への執念
記事一覧へ公開日: 2016/02/17
この日のバジ絆は開店から1時間経過した時点でBC3回。俺基準ではいつも以上に引けているので、少なくとも村一番のゴミ台ではなさそうです。3回目のBCがBTに繋がったし、赤同色も出たし、多分、メイビー、パーハプス高設定なんじゃないか。もしかしたら設定2くらいはあるんじゃないかと控えめな予想をしたのは、右隣に座る俺より少し年上のオジサンの台が明らかに設定6の挙動を示していたからに他なりません。
いつもなら、この時点でクソッタレとか超ウケるといった類の言葉が上の口と下の口から出てきて然るべきなのですが、この日は違いました。俺みたいなゴミ人間に気さくに話しかけてくれる、とても人の良さそうなオジサンだったので、心の中で「がんばれ」と応援していたのです。轟炎高校応援団よりも一生懸命応援していたのです。ちなみに、俺が人の幸せを喜び、そして応援するというのは非常に稀。前回は確かシドニーオリンピックの年でしたから。
他にも設定6が入っているような状況だったので当然バジ絆に空き台はなし。開店から10分も過ぎると空き台待ちの人たちがシマの後ろで座り込みを始めました。石原軍団の炊き出しなら確実に自分の番は回ってきますが、必ずしもそうではないのに空くまで待つというその根性。凄いな、俺にはマネできないなと感心しつつ、打っていたんですが、如何せん、バジ絆は6台ですからね。これは無理だと思ったのでしょう。何人かは途中で諦め、どこかへ消えていきました。
設定6濃厚のバジ絆を打つ右隣のオジサン、最初は調子がよかったのですが、その後は単発が続いたり、BCが絡まなかったりで出玉のほうはいまひとつ。それでも2回に1回は入るわけですからね。本人、設定6であることは重々承知していたようなのですが、薄いテーブルを引いてしまったのか、9連続スルーザファイアを食らって心がポッキリ。もうヤメますと、下皿にあった200枚ほどのコインをドル箱に移し替えたその刹那、後ろからペットボトルが飛んできました。
ペットボトルの主は11時から後ろで張り付いていた若い男性。オジサンが席を立つまで待てないものかとは思いましたが、4時間もの間、何も打たずにビッチリ張り付き、今か今かとチャンスを待っていたわけですからね。その勝利への執念は実に立派であり、見上げたものであり、見習うべきだと思うのですが、その情熱を他のものに向ければ、日本はもうちょっといい国になるんじゃないかなと思ってみたりして。はい、おしまい。
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