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公開日: 2016/11/24

 1軒目が寿司屋で2軒目が居酒屋、もう話すことは特にないけれど解散するには時間的にまだ早い。家に帰ってもツムツムくらいしかやることがなかったので、先日、さほど仲がいいわけでもない高校時代の同級生とキャバレーに行きました。

 そこは同級生の行きつけの店らしく、入店するなり店長がやってきて「石井様、いらっしゃいませ」と挨拶。こういうとき誰が挨拶にやってくるかで、その客が店でどれくらい金を落としているかがそれとなく分かります。ボーイしか挨拶に来ないようなら安い客だと思われている可能性大。高価なシャンパンやションベンを入れろとは言いませんが、ホステスのドリンクくらいは好きに飲ませてあげましょう。

 さて、席に着くと同級生の指名しているホステスともうひとり、東條さとみくらいガタイのいいホステスが私の隣に座りました。とりあえず、彼女のドリンクを注文して、たいして面白くもない話にあくびしながら相槌を打っていると、突然、こう切り出してきたのです。ヘルプじゃ全然もうからないと。

 もうかりまっかだろうが、もうカリ真っ赤だろうが、そんなこと知らんがな…。喉元まで出掛ったその言葉をクソマズい焼酎で飲み込み、彼女の話にさらに耳を傾けると、やれヘルプはすぐに席を移らなきゃいけないからイヤだとか、自分ではそこそこイケていると思っているのに何故か指名が入らないだとか、もし迷惑でなければ場内指名してくれないかだとか、もう一杯飲ませてくれだとか、とにかく彼女の上の口から出てくるのは愚痴とクソみたいなお願いばかり。要するに彼女は自分本位が正常位。ただでさえブスなのに、これじゃ本指名など入るわけがないと心の中で声を大にして叫んだことはもはや言うまでもありません。

 助けて…。酔いが回ってきたのか、彼女は俺にこう言いました。ヘルプがヘルプミーとはこれ如何に。思わず飲んでいた焼酎を吹き出しそうになりましたが、ここのところ修羅でバカみたいに金をLOSTして、翌日、実戦があるというのに財布の中に1万しかありませんからね。ヘルプと言いたいのは俺のほうですよ。はい、おしまい。

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