デリカシーのない男

　デリカシーがないと言われます。デリカシーとは感情、心配りなどの繊細さ、感覚、感情などの細やかさといった意味を持つので、デリカシーがないとの指摘が当たっているとするなら、俺は心配りがない人、繊細さに欠ける人ということになります。

　他人以上、知り合い未満の八百屋に言われるならまだしも、俺をよく知るういちや田中にもデリカシーがないと言われるので、恐らくこの指摘は間違っていないんじゃないかと思います。本人、悪気はまったくないので自分ではいまひとつ理解していないというのが正直なところですが、確かに俺は場の空気を読まずに思ったことをすぐ口にしてしまう節があります。テレビカメラが回っていないのに八百屋にデブ、チビ、ハゲの三冠王と言ったり、東條さとみに服を買ってやるから闘魂ショップに行こうかと言ってみたり、よくよく考えてみると言われたほうはたまったもんじゃありません。心の中で「うるせえ薄毛」を連呼している可能性もあります。

　基本的に俺は他人に興味がないからデリカシーに欠ける言動が多いのだと思います。ただ、弁解するわけじゃありませんが、デリカシーがないから悪口は言っても陰口は絶対に言いませんし、他人を蹴落とすための裏工作をしたりもしません。さらに言うなら、女性に相談事があると言われれば内容を聞く前に必ず「愚痴を聞けばいいのか。それとも背中を押せばいいのか」と聞きます。基本、女性の相談事は愚痴を聞いて欲しいか、予め決まっている答えの背中を押して欲しいかの二択なので、心配するだけ時間の無駄。いい大人なんだから自分で考えろって話です。

　デリカシーがないことで特に損をしている感覚はない、いや、本当はどこかで損をしているのかも知れませんが本人それにまったく気付いていないので、これまでこの性格を改善しようという気はサラサラなかったのですが、先日、とある地方の来店実戦でバーサスを打った帰りに事務所で店長に挨拶をした際、その考えは改めなければいけないのかなと思いました。

「甘くて利益取れないからバーサスとかハナビはいい台なんだけど、設定入れられないんですよねー」

　言い方もあるとは思いますが、分かっていることを言われるというのはかなりイラッとします。そうか、損をするとか得をするとかの話ではなく、相手を嫌な気分にさせぬためにはデリカシーのある人間にならなければいけないのかと、甘くて利益が取れないから設定が入れられないバーサスで6万負けて思った次第です。はい、おしまい。

※コイツも超デリカシーないです。