恐怖、カンパの箱
記事一覧へ公開日: 2019/02/08
中学生の頃、ひとつ上の学年に山田先輩という腕っぷしは地域最強にして最恐のドヤンキーがいました。当時、俺はクラッシュの影響を受けていてパンクロックで世界を変えてやるとかなり真剣に考えていたので、そちらの人種とは格好も趣味嗜好も異なるのですが、とっぽい感じではあったのでそこそこ目立ってはいたようには思います。
※写真はイメージです。
ただ、山田先輩率いるヤンキー軍団は例外なく頭が悪い上、木刀、シンナー、スケ、中森明菜以外のものに興味を示さなかったのでパンクロックがなんであるのかを知りませんし、図書館に行って調べようともしません。なので、五島は外国の音楽にかぶれている。それくらいの認識だったと思います。実際、横浜銀蝿とか嶋大輔とか大嫌いでしたし。
鋲を打ったリストバンドをしていたり、ガル憎に憧れて鼻や眉にピアスをしていたりしたので危ないヤツだと思われていたのでしょうか。すんません、ガル憎に憧れていたもピアスをしていたも嘘ですが、そうしたラッキーな勘違いがあったため、生意気だとヤキを入れられることはありませんでしたし、紅夜叉みたいなスケバンに童貞を奪われるようなこともありませんでした。こちらはいつ殺されるのかと毎日ビクビクして過ごしていたので先輩方がチョー頭悪くて本当にラッキーでした。
そんな俺がマジで恐いと思っていたのは夏休みが終わって新学期が始まると回ってくるカンパの箱。山田先輩が夏休み中に彼女を妊娠させてしまったという、嘘か本当か分からぬ理由で回ってくるのですが、最低二千円、家が裕福な五島は最低五千円が義務付けられていたため、夏休み明けにあのカンパの箱が回ってくると恐怖のあまり身体がブルブルと震えたことを今なおハッキリと覚えています。
さて、何故こんなどうでもいい話を長々とするのかと申しますと、今週末、きっと仕事では最後になるであろう札幌に行くのですが、先ほど、現地の週末の天気をチェックしたところ、北日本に寒波到来と書いてありまして…。36年ぶりにカンパで身体を震わすことになるのかなと。
ライター・タレントランキング