略称
記事一覧へ公開日: 2017/07/29
菅田将暉くんのことを『すだま』、ミニストップのことを『ミニップ』などと言う最近の若い子の略称についていこうと頑張ってみても、そこは僕も歳をとってしまったのかそういった言葉にはある種の気持ち悪さを覚えてしまうわけで、やはり寄る年波には勝てないなと否が応でも感じている今日この頃。
先日、とあるお笑い芸人さんとパチスロ話に花を咲かせておりましたらば、ふとその方が「弱スイの出現率が……」なんて言い出しまして、おいおいちょっと待てよと。話の腰を折って悪いけれども、今、なんて言った? と聞き返すと「……だから弱スイの」と続けやがるのです。
弱スイ?
それって弱スイカのこと?
「カ」を言うのがそんなに面倒臭いのかい?
君は名曲ハナミズキをハナミズって略すのかい?
まさかキを省くことはないだろう?
『弱スイ』のおかしさについて諭すように話すも彼にはあまり響かなかったようで、普通よ普通と、まるで僕の感覚がズレているかのようにあしらいます。
しかしまぁそこは僕も大人ですし、自分の感覚を押し付けるのもナンだなということでこの話は一旦終わったわけですけれども、それからしばらくして今度は彼が「ここに○○が止まればチャン目orボーナスで……」なんて言うもんですから、さすがに今度は今まさに口に運ぼうとしていたビールグラスをドンッと音を立てながらテーブルに置き、彼をキッと睨みつけて言ってやりました。
スよ?
一文字よ?
弱スイもそうだけど、これ、文字にしたら誤植だと思われるレベルよ?
そんなに面倒かい?
言葉を発するのがそんなに面倒かい?
なんなら君はもう僕との会話も全て略したいのかい?
むしろもう会話したくないのかい?
シェリーの尾崎豊ばりにかい責めをするとやっと彼にもその想いが伝わったのか、たしかにおかしいねと、オーストラリアをオーストリアって略すと違う国になっちゃうもんねと、ちょっと違う解釈をしながらもわかってくれました。
すだまにミニップ、弱スイにチャン目。美しい日本語を後世に残していくために、僕は頑固ジジイと呼ばれようとも略称反対、略称NGを掲げ、それが例え友人や家族であっても断固として戦い、言葉を正していこうと思います。
以上、諸ゲンがお届けしました。
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