サ道 9
記事一覧へ公開日: 2020/05/05
自分の目で見たことしか信じない
携帯ひとつでありとあらゆる情報が手に入る情報過多な世の中だからこそ、僕はこの言葉を信条としており、何事も自分で確かめるまでは、その目で見るまでは信じないようにしています。
今いる場所の近くにサウナがないかを知りたい時、そんな時はいつも、サウナーなら誰もが知っているサウナ検索サイトを利用するのですが、このサイト、サウナ版食べログとでも言いましょうか。
口コミはもちろん、そのサウナにどれだけの人が行きたがっているのかがポイントで表示され、ポイントが高ければ高いほど人気のサウナ、多くの方が行きたいと思っているサウナということになります。
今回お邪魔したサウナはこのサイトの中でも常に上位にランクインしている為、その評価を鵜呑みにしてバイアスが掛かってしまってもおかしくないところではありますが、食べログだって3.0で旨いラーメン屋もあれば、4点超えなのに高いだけの寿司屋もあるんだからと、信条に従い先入観を捨てての入店です。
店舗に入ると、まずは券売機で入浴券とサウナ券を購入します。この施設はサウナが別料金となっているため、入浴券のみではサウナに入れないのです。
そして、その購入した券を受け付けに渡すと
「さーなーぎーになっすー」
?????
年の頃は20代前半といったところでしょうか。出たてのカイジくらい覇気のない、気だるそうな男性店員から、謎の呪文と共に、タオル一式とフック船長のカギ爪のようなモノを渡されました。
昨今のサウナブームの影響か、メディアで取り上げられるほどの人気サウナには人が溢れ、それと同時に、店員さんの接客態度が以前と比べて変わった、横柄になってしまったサウナもあるという意見を耳にしたことがありますが、もしかしたらここもそうなのでしょうか。
お世辞にも気持ちのいい接客とは言えず、5点満点のゲンズ式サウログ(減点方式)は既にマイナス1.5点、つまり入る前から3.5点スタートで、もうどう足掻いても高専ダゴ荒尾本店には勝てません。
一体、このフック船長はいつ使うのか。その昔、ドラクエ2でラーの鏡の使用場所がわからず、ただひたすらにレベル上げしていた苦い記憶が蘇ります。
気を取り直して浴場に向かうと、造り自体は古き良き日本の銭湯といった感じですが、間接照明や現代風にアレンジされた富士山の壁画など、随所にスタイリッシュさが散りばめられていて、雰囲気はヨシ。受付のアレさえなければ、まだ4点台はキープしていたでしょう。
しかし、本当の評価はこれから。
当然ですがゲンズ式サウログの主役は受付ではなくサウナですから、自分の目で見たことしか信じない僕が、先入観ナシ色眼鏡ナシで点数をつけて差し上げましょう。
さぁ、その実力や如何に……ってアレ? サウナ室の扉に取っ手がないぞ。これじゃあサウナ室に入れない。
とここで、あの呪文が頭をよぎります。
さーなーぎーになっすー
もしかしてここか。フック船長の出番はここなのか。
そう思い、呪文を唱えながらフック船長のカギ爪を使うと
サーナーぎーになっすー
サゥナーぎーになっすー
サウナのぎーになりっすー
サウナのかぎになりっすー
サウナのかぎになりますー
!!!!!!!!!!!!
サウナの鍵になります!!!!
そうか!!!
そうだったのか!!!
アイツがダルそうに言った一言は
「サウナの鍵になりますー」
だったのか!!!
縦長の穴にカギ爪を差し込み、手前に引けばサウナ室への扉が開かれ、ここでやっと全ての謎が解けてスッキリしたわけですけれども、肝心要のサウナ室は大人が6名入ればギュウギュウになるほど狭く、ととのいスペースもなく、わざわざ別料金を払う価値があるのかと疑問符を抱きながら、そっちのほうは全然スッキリできず、やっぱりネットの評価なんてアテにならないなと、自分で見たことしか信じちゃダメだなと改めて感じました。
サウログ3点未満、さーほーなっすー(再訪ナシです)。
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