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諸積ゲンズブール

サ道 8

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公開日: 2020/04/28

ジイさんが団扇を使うアウフグースも悪くはないけれど、やっぱりアウフグースといえば、スパンッと小気味良い音を立てて熱波を届けてくれる、タオルに限ります。

 
 
少しでも満足してもらえるよう、少しでもいい風を感じてもらえるようにと汗だくになりながらタオルを振り続ける熱波師の姿を見ていると、どんなに熱くても途中退室なんかしてたまるかという思いにさせられますし、アウフグースサービスが終わる時には、自然と熱波師に称賛の拍手を送ってしまうものです。
 
 
 
 
しかしこの日は、拍手する余裕すらありませんでした…。
 
 
 
都心からほど近い場所にある今回のサウナは、スーパー銭湯というよりも今流行りのリゾートスパといったほうがしっくりくる、リラグゼーションや飲食なども充実した施設。
サウナもアウフグースサービスのある中高温サウナから、セルフロウリュが堪能できるフィンランドサウナとバラエティに富んだラインナップで、こりゃどう転んでも満足できるぞと胸を躍らせての入店です。
 
 
入ってすぐにフィンランドサウナでセルフロウリュを楽しんだあと、2時間に1度おこなわれるアウフグースサービスの時間になったので中高温サウナへと向かってみると、なるほど、さすが人気施設。開始3分前にはもう席はほとんど埋まっており、最上段と最下段にポツポツと空きがあるのみとなっています。
 
であるならば、ここは当然最上段。
サウナ室は高い位置に熱が溜まりやすいため、アウフグースを最上段で受けるとなるとそれ相応の覚悟が必要ですが、ここで下段に居座っては男が廃ると、最上段にドカッと陣取ってやりました。
まぁ、結果的にはこのカッコつけ根性が大失敗だったんですけどね。
 
 
 
アウフグースの時間を迎え、さぁ今日は一体どんな男が出てくるんだと、まさか2連続でジジイじゃあるまいなと扉に目をやると、入ってきたのは身長190センチはあろうかという大男。見たところ決して筋肉質ではなさそうではありながらも、そのタッパから繰り出されるアウフグースは期待できそうです。
 
 
 
 
それではロウリュをはじめます。
 
 
 
大男がそう呟き、サウナストーンへまず1杯。
いつものようにジュワッと音を立てながら激しい蒸気が発生し、部屋中に熱が巡ります。
 
そして次の瞬間、大男がタオルをバサっと振り下ろしてアウフグースを始めたのですが、高い、それは高い位置から振り下ろされるアウフグースの威力は、さながら間柴のチョッピングライト。
大男が長いリーチを活かしてタオルをしならせると、スパンッという音と共に熱波が上から襲ってくるのです。
 
 
 
き、きくぅぅぅぅぅ…。
 
 
 
まだ1杯目だというのに、釣船幕の内ならぬ泥舟ゲンズブールは撃沈寸前。試合開始早々にチョッピングライトを打つ間柴がいるかよ。
 
しかし、そこは僕もはじめの一歩の愛読者です。グロッキーになりながらもピーカブースタイルでガードを固め、なんとか試合を立て直します。
 
 
 
 
カーン
 
 
第2ラウンド開始の合図となる、2杯目がサウナストーンに投入されました。
 
さぁ来い。お前のチョッピングライトはもう攻略済みだ。潜り込んでリバーブローからのガゼルパンチをお見舞いしてやんよ。
 
などと思っていると、ここで間柴、タオルを振り下ろすのではなく振り回し、今度は横から仕掛けてくるではありませんか。
 
 
 
し、しまった…。間柴といえばコレだった。
 
 
 
そう、フリッカーです。
 
ピーカブースタイルで熱を逃がそうとしたところに、容赦なく間柴のフリッカー、通称「死神の鎌」が襲いかかります。
 
チョッピングライトから発生する大量の熱波は正面でしたが、タオルをしならせて上から横から斜めからと、変幻自在に蒸気を操るフリッカーを使われてはなす術ナシ。もはや立っている(座ってるんだけど)のがやっとといった状態で、ただただ、試合終了のゴングを待ちます。
 
 
 
 
 
カーン
 
 
 
第3ラウンドのゴングが鳴りました。
最終ラウンドの間柴は、フリッカーとチョッピングライトを織り交ぜながら、判定勝ちなんかいらねぇよと言わんばかりにラッシュをしかけてきます。
 
僕はもう、体全体で熱波を浴びる気力も体力もなく、ただひたすらに顔を下に向け、時間よ過ぎろと念じていました。
 
 
 
 
 
ドクン
 
 
 
いや待てよ。
 
 
僕は何か忘れてはいないか…?
 
 
フリッカーにチョッピングライト。たしかに間柴の代名詞ではあるけれど、東洋太平洋ライト級タイトルマッチのフィニッシュブローはたしか……
 
 
 
 
その時です。
 
 
 
 
スパンッッッ!!!!!!
 
 
 
激しい音と共に、下からの熱波が僕を襲ってきました。
 
 
間柴のフィニッシュブローは、チョッピングライトだけではありません。
フリッカーをかいくぐり、懐に入ってしまえばリーチの長さはアダとなるのですが、そこで上からのチョッピングライトばかりに気を取られていては下がお留守、そう、アッパーです。
 
 
 
薄れゆく意識の中、強すぎる熱波も困りモノだなと、これならジジイの団扇のほうがマシだなと思いながら、僕は途中退室、マットに沈みました。
 
 

 

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