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あの日のジャグラー

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公開日: 2025/11/24

 

先日、パチスロを打っていたらボーナスが揃えられず苦戦している人がいた。

 

 

昔の私だったら「揃えましょうか?」と声を掛けていたけれど、今は少し抵抗を感じてしまう。決して、揃えられない様子を見てニヤニヤしているといったイジワルではなく、以前に苦い経験をしたことがあるからだ。

 

あれは今から20年以上前、まだ4号機時代だった頃の話だ。

 

 

当時の私はジャグラーを好んで打っていた。

 

今でこそジャグラーはどのホールも大量導入していて設置機種の1/3~1/4がジャグラーシリーズなんてのが珍しくないけれど、人気が爆発したのは5号機からで4号機の頃は“好きな人は好き”ぐらいのポジションだった。多くのホールは1~2島ぐらい設置されていた程度で、1台も設置されていないホールだってあった。ただ、打っている客層は今と同じように年配の人が多めだった。

 

故に目押しが得意ではなく、なかなかボーナスを揃えられない人も少なくなかった。

 

ある日、いつものようにジャグラーを打っていると、隣の人がボーナスを上手く揃えられずに苦戦していることに気付いた。そんな様子を見たら何も迷うことなく率先して「揃えましょうか?」と声を掛けていていたのが当時の私だった。

 

“目押しあるある”のひとつである「ボーナスを揃えたらREGで愚痴を言われる」なんてこともしばしば起きるのでBIGを願っていたら、そんな不安は杞憂に終わってしっかりとBIGが揃った。

 

「BIGですね、おめでとうございます」

 

私は笑顔で返したのだが、隣の人は眉間にしわを寄せて一言。

 

 

「7で揃えてほしかった」

 

4号機のジャグラーはBAR揃いも7揃いも同じBIGでどちらでも揃えることができた。

 

 

REGがBAR/BAR/7で今のジャグラーと同じように右リールの配列はBARと7がくっついていたので、ボーナスに当選すると全リールにBARを狙うのがBR判別できてコインロスも防げる基本の揃え方だった。

 

当然、私はその手順でボーナスを揃えたのだが、それが不満だったようだ。どうやら、BIGを7で揃えたほうが連チャンしやすいというオカルトを信じていたみたいだった。そして、実際に連チャンしないと

 

「ほらね」

 

連チャンしなかったのは私のせいだといわんばかりの渋い顔を見せた。そのとき、ものすごく複雑な気持ちになったので、以来、私は「(目押しを)頼まれたら断らないけど、自分からは言わない」ようにした。

 

――で、現在に至る。

 

私はそう心に強く決めていたのだが、ボーナスが確定している状況で新たな千円札をサンドに入れる様子を見たら、流石に居ても立っても居られずに声を掛けた。

 

揃ったのはREG。

 

ふと嫌な記憶が脳裏を過ったのだが、その人は「ありがとう」と笑顔だった。

 

 

ボーナスを揃えられない様子をしばらく見ていた罪悪感なのか、過去に囚われていた恥ずかしさなのか、なんだかよく判らないけれどズキズキとする感覚に襲われた。

 

もう一度、昔の私に戻ってみても良いかもしれない。

 

-3万円。

 

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