手コキ以外の手は勘弁
記事一覧へ公開日: 2022/09/30
食事は外食か自炊の二択。割合にすると外食1の自炊9といったところでしょうか。これじゃ田舎から出てきて西荻窪のボロアパートに住んでいる一人暮らしの学生となにも変わりませんが、そりゃそうです、私も一人暮らしなのですから。
ハナマサやライフで食材を買ってきて自らそれを調理する。極々当たり前のことを当たり前にやっているだけなのですが、それを聞いた方は皆、口を揃えて「らしくない」とおっしゃいます。もしかして、毎日三食すき家の牛丼を食っているとでも思っているのか、それとも食材は一切買わず自ら山に入って調達してくるとでも思っているのでしょうか。私はどちらかと言うと吉野家派ですし、どこの猟友会のメンバーでもありません。
※コーラ、冷房、圧力鍋を考えた人にはノーベル賞をあげたい。
自炊に関して言えば誰に食べさせるわけではないので美味い、不味いという感覚はありません。ただただ死なないため、栄養補給のための咀嚼行為との認識なので、よく自ら調理したパスタの写真などをインスタにアップして「超美味い」とか言っている同業者を見かけると、私とは食事に対する考え方が違うのだなと思います。ただ、念のため言っておくと多様性の時代ですからそれを否定する気も肯定もする気もありません。
※冷蔵庫の残り物でチャチャっと作ってみました。というのはモチロン嘘です。
自炊におけるメリットは好きなものを好きな時間に好きなだけ食べられるという点。誰かに提供することが前提ではないのでセロリとかミョウガとか、MYME嬢が非常食として飼っているフクロウとか嫌いなものは一生口にしないで済むし、一個残し問題に頭を悩ませる必要もない。さらに言うなら私はムショから出てきて一食目のカツ丼をがっつくヤクザくらい食べるスピードが速いので、誰かに食事のペースを合わせる必要がないというメリットもあります。
※誰よりも食べるのが遅いのに、かなりの高確率で注文したものが最後に出てくる人。
ただ、自炊における最大のメリットはやはりなんといっても他人(素人)の作った料理を食べなくて済むという点でしょう。既にご承知のように私は軽度の潔癖症なので母親が作った料理以外は食べたくないともう何十年も発信し続けています。にもかかわらず、ひと月ほど前だったでしょうか。突然、奥様から「超美味い鮭でおにぎり作ったから少年に持たせようか」と連絡がありました。
十数年前に彼女がトイレでウンコして手を洗わずにおにぎりを作っていることを指摘したら「大丈夫、米だから握っているうちに手はキレイになる」と言われ、それ以降、彼女の作った料理はなるべく食べないようにしているのですが、ここで「誰が食べるか、クソババア」と家庭内暴力が問題視された昭和の中学生みたいなことを言えばどうなるかは言わずもがな。私は桜中学と敵対関係にある荒谷二中のヤンキーではありません。
事を荒立てぬためにはとりあえずありがたく頂戴してあとでゴミ箱にそっと捨てる、或いは冷凍庫で500年熟成する、そのどちらかしかないと思ったのですが、よくよく考えてみたらそのときの奥様はコロナに罹患して自宅療養中。これはもう食べる、食べないの話ではありませんとバカを諭す感じで言ったところ、こう返ってきました。
「大丈夫、手はしっかり洗ったから」
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