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塾長

バイブル

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公開日: 2023/05/19

 

 日本を離れる前日、打ち納めにと地元で『マッピー』を打っていたら突然女性店員に声を掛けられました。この日は完全にプライベートのパチスロ、遊技中に声を掛けられることなどめったにないので、これはもしかすると負け分を全額補償するからSNSに店の悪口を書かないでくれという店長からの言葉を伝えにきたのかと思ったのですが、残念、残念、実際にはアメをふたつくれただけでした。って、終戦直後の子どもか、俺は。

 

 

※アメでもチョコでも小景品でも、ギャルはなにもらっても嬉しいです。

 

 

 タダでアメや飲み物をくれるわ、国賓を迎える角度でお辞儀してくれるわ、さらに言うなら昔みたいに店員を呼び出して舌打ちされることもないわ、4号機以前の時代から毎日朝から晩までパチスロばかり打っている私みたいな底辺はそうしたパチ屋の優しさに触れるたび、思うのです。今どきのパチ屋は私の家族以上に親切だなと。

 

 とりわけ、親切だなと思うのは台間に挟んであるペラッペラの機種説明書。置いてあるかどうかも分からぬ小冊子を探しに行くのが面倒な私はバイブルと呼んでいますが、よくよく考えてみたらゲームの流れや損をしない打ち方を客に教えるというのは店にとって損することしかありません。実際、私が経営者なら払い出し10枚以上の小役はバンバン取りこぼして欲しいし、ペナルティも食らって欲しいし、ビッグは100枚くらい損して欲しいと考えます。にもかかわらず、そうはさせまいとバイブルを置く店の優しさ、これって親切以外のなにものでもないと思うのです。

 

 

※ウチの鬼婆と初めて会ったとき「お嬢さん、ドリンク如何ですか」と店員でもないのに声を掛けてくれた中武先輩はとても親切だと思います。

 

 

 打ち納めのマッピーはほぼ初打ちでした。初めてのビッグを引いてどう消化していいのか分からなかったため、バイブルに目を通したところ、枚数調整の方法が事細かに記されていました。マン久保先生ならありがてええええ、中武先輩なら素っ頓狂な声でありがとうございま~すといった感じですが、残念なことに、バイブルにはボーナス確率が記されていないケースが多いのです。

 

 

※写真提供:無道X

 

 

 ただ、情けは人のためにならずとの言葉もありますので、それくらい自分で調べなさいということなのでしょう。とりあえずスマホを開いて色々調べてみたところ、設定毎のボーナス確率だけでなく情けは人のためにならずの誤用も判明。本来「人にした親切が自分に戻ってくること」を意味する言葉が「人に情けをかけてやることはその人のためにならない」という誤った意味で使われているケースが多いことを知りました。てっきり後者だと思っていただけに、キリスト教徒よろしくバイブルに救われたといった感じですが、これを読んで誤用に気付いたという方にしてみれば当コラムはバイブル。まさにバイブルに救われたわけです。いや、ちょっと違うか。

 

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