愛が止まらない

　恋人ができないと悩んでいる自称女子大生のホステスに「高須クリニックへ行け」と無慈悲な剛速球を投げ込むような真似はしません。何故、恋人ができないのか、まずはその理由を探すところから始めましょうと親身に恋愛相談に乗ってやるのは私が優しい人間だからではありません。暇だからでもありません。恋という字をじっくり見てください。そう、恋は下心なのです。

※これよりはキレイでした。

　ナンパされないかと渋谷のクラブに行ったそうです。夏は美容クリニックでないほうの湘南にも行ったそうです。しかし、クラブも海も誰一人として声を掛けてくることはなかったとなると、彼女にもなにかしら原因があるはず。目押し二段、腹三段先輩のように太っているわけでなし、スターウォーズの宇宙酒場に出てくるようなユニークな顔をしているわけでなし、むしろボインで尻は軽そうなので、これで口が堅ければ余った唐揚げをテイクアウェイする感覚でお持ち帰りされると思うのですが、誰一人として声を掛けてこなかったとなると、数か月前に沖縄泡瀬の来店実戦で二人にしか声を掛けられなかったと未だにネチネチ言っている目押し二段、腹三段先輩以下ということになります。

※すっかり自信をなくしているので沖縄の皆様、積極的に声を掛けてあげてください。

　では、攻めてみるのはどうか。タイプの男性を見つけたらまずはじっくり相手の目を見て好意があることをアピール。ただ、それだけだとちょっと弱いし、相手が先輩みたいな方だとズベタがガンを飛ばしていると勘違いされて、最悪、前歯が吹っ飛ぶ可能性もあります。かといって投げキッスはおさせの所業、品がないですからここはやはり視線が合ったらにっこり微笑むのがいいのではないかと申したところ、どうにも上手く笑えないと、ダンスはうまく踊れない高樹澪みたいなことを言うのです。

※絶対に目を見てはいけません。

　となると、もう品があるとかないとか言っている場合ではありません。視線が合ったらボインを出してみるとか、いやらしく舌なめずりをしてみるとか、すぐヤレます、今日ヤレます、なんならトイレでヤレますを思い切りアピールしてみてはどうかと提案したところ、それはイヤだと生意気なことを言いやがるのでウィンクでもしてみたらどうかと言ったら、それならできるかも知れない、やってみるからちょっと見ていてくれないかと言われたので見ていたら、どうやっても両目が閉じてしまう。完全に開眼チャレンジ失敗、この先の逆ナンも全部失敗すると思うのですが、ウィンクだけに今回は目を瞑るとしましょうか。