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塾長

ディレイ

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公開日: 2016/10/14

 大阪なら新大阪駅、札幌なら新千歳空港、ワイキキならチーズケーキファクトリー前といった具合に、来店取材などでホールを訪れる際は同行するディレクターとあらかじめ時間を決め、分かりやすい場所で待ち合わせをします。


 この日は渋谷で5時ならぬ福岡で12時。現場が佐賀ということもあり、便数の多い福岡空港で待ち合わせをしたのですが、どういうわけか、ディレクターが約束の時間になってもいっかな現れない。これはもう、道で倒れていたご老人を放っておけず病院に搬送したとか、オリエント急行殺人事件、或いは林檎殺人事件に巻き込まれたとか、なにかしらのトラブルに巻き込まれたと考えるのが妥当でしょう。とりあえず、ディレクターの連絡先を調べようとラインを開いたところ、あろうことかあるまいことか、待ち合わせ場所は福岡空港でなく佐賀空港。どうやらトラブルの原因は俺だったようです。

 焦りました。ヅラがズレてもまったく動揺しないこの俺が珍しく動揺しました。何故なら実戦開始時刻は13時。氷室京介はランナウェイトレインの中で「今ならまだ間に合うだろう」と言っていましたが、どう考えても間に合いません。取り急ぎ、代理店に電話して事情を説明。急遽、車を出してもらい佐賀へと向かいました。

 佐賀に到着したのは13時半。申し訳なさそうな顔をして店内に入り、従業員という従業員にやや薄くなった頭を下げ、とりあえず目に入ったまどマギ2のカド台に座り、プレイを開始したわけですが、無論、こういうときは地方でのみ適用される負け倍付けの法則はありません。如何なる理由があろうとも遅刻は遅刻、かもめはかもめですから、自らにペナルティを課す意味でも、ここは大きく負けなければならないし、天井まで連れて行かれて然るべきないのに、このバカタレ台ときたら僅か6千円でワルプルギスが確定するほむらのエピソードビッグなんぞを引きやがったのです。

 嬉しい、でも喜べない。食べたい、でも痩せたい。完全にハイマンナンの世界です。ただ、そうは言っても捨てるわけにはいきませんから複雑な心境でゲームを進めていくと今度はスイカで50G乗せてそこから再びワルプルギスに突入し285G乗せ。その後も200G乗せを一度ならず二度もやらかし、最後まで誰とも目を合わせることなく、床を眺めながらプレイする羽目になったのです。



 結果は下にある通り。大勝となったのですが、時間に遅れさえしなければもっと素直に喜べたはず。凱旋の天井よりも深く反省するとともに、今後、時間はキッチリ守ろう、遅れは厳禁、そう心に誓ったのですが、実のところ、このコラムの締め切りは火曜日の夜だったりします。はい、おしまい。

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