勝負の土俵

　それが赤であれ、青であれ、ジェットボーナスはあくまでも契機。慶志郎チャンスという本丸への足掛かり的存在に過ぎません。ボーナス後のチャンスゾーンを制して初めて勝負の土俵に上がれるのにジェットボーナス後のバスツアーで4連続三振。もはや心が折れたとかいう話ではありません、ここにバットがあれば真っ二つにへし折っているところです。誰か、ルシール持ってきて。

　眠い目を擦ってわざわざ朝イチから打ちにきて、いまだ勝負の土俵にすら上がれぬこの切なさ。元旦の朝、郵便ポストを覗いたら年賀状でなく逮捕状が入っていた、それくらいの切なさというか、切なさを殺せないオウイェなのですが、まだ昼過ぎだというのに既に3万8千円ヤラれているとなるとボーナスタイプではまるで足りません。起死回生の満塁逆転ホームランを打つには荒俣宏よりも荒い機種を打つ必要があります。

　俺が目を付けたのは6号機のリノ。トマトの3択チャレンジが発生しさえすれば勝負の土俵にはあがれる、いや、頭の中で2択にまで絞り込めれば敵を土俵際まで追い込むことができるわけですから、いつかやってくるそのときに備え、ウォーミングアップを開始したのですが、トマトチャンスには設定差があるのでしょうか。2千円強で1回、ハイパーリノの感覚で打っていたらケガする感じでしょうか。5千円使ってなお下段以外のラインでトマトがテンパイしないのです。

　正直、台の故障を疑いました。店員を呼んで調べてもらおうかとマジで思いましたが、メディアに顔を出しているのでヤバイヤツだとは思われたくありません。そのうちテンパイするだろう、一発で仕留められるだろうと打ち続けたのですが、やはりどうしても疑念が払拭できなかったためリノ向上委員会のガル憎先輩にラインしました。トマトチャンスの確率は如何ほどですかと。

「分母98～130だったハズ」

　ハズとつくことからもお分かりになりましょう。本人、あまり自信がないようなので正解をズバリ言いますとトマトチャンスの確率はゴミ設定で8000分の1。2万使って一度も勝負の土俵に上がれなかったのですから、これくらいが妥当です。