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お別れの挨拶

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公開日: 2020/12/31

 幼い頃、会うたびに小遣いをくれた大好きな叔父が先週亡くなりました。あまりにも突然のことだったので正直私もびっくりしたのですが、生前は「明るく、楽しく、激しく」をモットーとする全日本プロレスみたいな人だったので、お別れはちょっとふざけるくらいがちょうどいいのではないかと思い、叔父の亡骸を前に「ドリフのコントみたいに目を開けないかな」と言ってみたり、冷たくなった頬を触りながら「親父が明日か明後日そっちに行くってさ」と言ってみたり、皆がしんみりしないよう努めて明るく振る舞いました。

 

 生前、よく叔父が話してくれたエピソードはカップラーメン。昭和46年に私は叔父と叔母に連れられ銀座に行き、当時、発売されたばかりのカップヌードルを買ってもらったそうです。よほど腹が減っていたのか、それとも食い意地が張っていたのか、そのあたりは覚えていないので分かりませんが、とにかく三歳の私は買い与えてもらったカップヌードルを見事完食。叔父がひと口くれと言ってもガン無視したという、実際に文字に起こしてみるとひとつも面白くないダダスベリのエピソードを会うたび私に話してくれました。もっとも、一度舐めたツバ臭い右の乳にはなにがあっても戻れない私のことですから、その頃には既に潔癖の土壌が出来上がっていたと考えられなくもありません。

 

 さて、お別れの挨拶を終え、叔父の家から火葬場に車で向かう途中、以前、ニュースエブリィで紹介されていた焼き小籠包の店の前を通り掛かりました。葬儀社の人に「火葬の時間は決まっているので絶対に遅れないでください」と言われていたので、毒嫁に冷凍用の焼き小籠包を買ってきて欲しい旨伝えたのですが、どういうわけか5分経っても車に戻ってきません。とりあえず、心配しているフリくらいはしたほうがいいだろうと駐車場に車を停めて店に向かったら、ちょうどレジで会計を済ませているところでした。

 

「あと15分くらい掛かるってさ」

 

 冷凍用のストックが切れているということなら、帰りに立ち寄ればいいだけの話。叔父と焼き小籠包、どちらが大事かと言われればそれはもう6:4で叔父に決まっていますから、とりあえず毒嫁に急いで車に乗るよう言ったところ、あり得ないという意味では雷に打たれた衝撃で射精したくらいあり得ない珍回答が返ってきました。

 

「今、焼いてもらっているから待って」

 

 冷凍用と言ったにもかかわらず、時間がないと言ったにもかかわらず、何故、それを無視して焼き上ったものを買おうとしているのか。狂っている人のやることはサッパリ理解できないのですが、結果、小籠包が焼き上るのを待って火葬場に向かったら、叔父はすっかり焼き上っていた…という冗談みたいなホントの話も、三度の飯より冗談が好きだった叔父ならきっと許してくれると思います。

 

追伸:今年も私のくだらないブログにお付き合い頂きありがとうございました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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