柿本商店

先に言っておきます。今回はパチスロ全く関係ありません。

兵庫県は神戸市に、「柿本商店」という靴屋があります。このお店は知る人ぞ知るコンバースの聖地でして、店内には所狭しとコンバースのスニーカーが並べられています。

オールスターはもちろんのこと、ジャックパーセルにワンスター、そしてウエポンと、このお店に来れば誰もがお気に入りのコンバースと出会えることでしょう。

僕が柿本商店のことを知ったのは、今から約20年前。今のようにインターネットも普及していない時代ですから恐らくは雑誌だったと思うのですが、何かのファッション誌で見かけて以来、ずっと行ってみたいと思っていたお店でした。そして、そのチャンスが本日ついに訪れたのです。

明日は兵庫県神戸市で仕事なので今日中に兵庫県入りするわけですが、いつもならば兵庫に着くのはだいたい20時〜21時。関東で夕方まで仕事して、それから向かうとなるとこれくらいの時間に到着することが多くなります。 しかし、今回は本日が三重県で仕事でしたので、19時前には兵庫県入りすることができました。

であれば、このチャンスを逃す手はありません。仕事が終わると同時に電車に乗り込み、在来線から新幹線に乗り換えて新神戸駅に向かい、そこからタクシーで柿本商店を目指します。

…がしかし、ここで一つ問題が。 前もってネットで調べていた柿本商店の営業時間は20時までとのことだったのですが、違うサイトには19時までと書いてあり、電話で確認したところ案の定19時が正解でした。

新神戸駅に着くのは18:45で、そこから柿本商店までは3キロくらいありますから、タクシーの運転手が目的地までの最短距離を知っていたとしても閉店に間に合うか微妙。いや、渋滞を考慮すると間に合わない可能性のほうが高いでしょう。

それでも、一縷の望みに賭けてタクシーに乗り込み向かってもらったところ、18:55に柿本商店のある商店街の入口に到着することができました。ただ、営業時間は19時までですし、メシ屋のオーダーストップとはわけが違うのですから、閉店5分前に品定めを始めてもお店の方からすれば迷惑千万です。

今日は店頭の雰囲気だけ堪能して帰るかな…。

そんなことを思いながら店先に向かうと、僕が中学一年生の時に履いていた、人生で初めて買ったオールスターと同じ色のモノが店頭に並んでおりまして、思わず、「これの28センチありますか…？」とお店の人に聞いたところ、閉店間際にもかかわらず店主と思しきおじいちゃんが嫌な顔一つせずに対応してくれました。それだけでなく、試着を済ませた後もコンバースについての色んな話を聞かせてくださいまして、そのご厚意に甘えて閉店時間を忘れ、ついつい30分ほど店に居座ってしまったのです。もちろん、オールスターは即買いで。

この仕事をはじめて、全国各地、色んな場所に行くようになりました。関西に行って九州に行って、その翌日には東北に行ったりして、たまに大変ですねなんて言われますが、いえいえ、全然大変じゃありません。そりゃあ移動が長いと体バキバキになるし、近いうちに酒田本間家クラスの痔主になる可能性もなくはないですが、こういう時間がたまにあるだけで、随分とリフレッシュできます。

好きなことを仕事にしているとはいえ、人間ですから生きてりゃストレスも溜まるし嫌なことだってある。むしろ人生なんて嫌なことの繰り返しなんじゃないのかな…なんて思う時もありますが、例え嫌なことが10回あっても、その合間に幸せを感じることが1回でもあれば生きててよかったと思えるんだろうなと、そう痛感した1日でした。