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諸積ゲンズブール

生ビール

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公開日: 2016/08/23

自宅やホテルで酒を飲むことはほとんどなく、酒の味を美味しいと思ったことなどこの31年間の人生でただの一度もないのですが、やはり僕もいい大人ですから、取引先や共演者などと食事に出かけた際は前もってヘパリーゼを胃に流し込み、酒を飲む準備を整えます。

 

焼酎にハイボール、ワインに日本酒と酒の種類は数あれど、大半の人は一杯目にまずビール。僕も例に漏れず「とりあえず生」のフレーズでお馴染みである生ビールを注文するわけですが、何度も何度もそういう場に居合わせるうちに、「とりあえず生」に違和感を覚えはじめました。

 

純粋にビールが好きだというのならまだわかります。地下労働でクタクタになっているところに大槻班長が奢ってくれたというのならそれはさぞ旨いことでしょう。

しかし、少なくとも僕は特段ビール好きというわけではないし、地下労働でペリカを稼いでもいません。

なのに何故、周りに合わせるかのように「とりあえず生」と声高に叫ぶのでしょうか。

 

この現象は、今のパチスロ界でいうところの「とりあえず絆」に似ているような気がします。

たとえそんなに好きではなかったとしても、周りに流されるかのようにとりあえず絆。設定状況はたしかに悪くないかもしれませんが、下を掴んでしまえば必勝ならぬ必敗ともいえるスペックなのに、朝イチはどこのホールも絆から埋まるのが現状です。絆にいっときゃ間違いないという風潮はある種の不気味さすら感じさせます。

 

「とりあえず生」に違和感を覚えたように「とりあえず絆」にも違和感を覚え、最近はめっきり絆を打たなくなりました。収録や来店実戦でホールにお邪魔した際、こういった人気機種は常連さんに譲るべきだという考えから打たないというのもありますが、僕自身が絆に飽き飽きしているというのが一番の理由です。

もちろん、今後も「とりあえず生」を注文することがあるように、「とりあえず絆」に向かうこともあるでしょう。

しかし、たいして飲みたくもない生を流れで頼むくらいなら、一杯目から白ワインを頼んでもいいし、酔いたい夜は日本酒から始めたっていいじゃない。凱旋ハーデス花火にバーサス、強敵にコードギアスと、魅力的な機種は他にもいっぱいあるんだから。

 

…なんて、絆を避け続けた結果、8月の収支がマイナス20万を叩いている男が何をいっても説得力はないかもしれません。収支の話をすると現実に連れ戻されてテンションが下がってしまうので、今夜はひとり、酔いに身を任せたいと思います。

 

とりあえず、生で。 

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