けしからんおじさん
記事一覧へ公開日: 2018/05/28
バラエティ番組を見てはけしからん、ダメージジーンズを見てはけしからん、しまいにゃ目に映る全てのモノにけしからんと、何故かわかりませんが、男という生き物はある一定の年齢に達すると「けしからん」に取り憑かれることがあるようです。
僕の周りにもけしからんおじさんがいるわけですが、基本、何に対しても「けしからん」という感情を持っているので酒でも酌み交わそうもんなら面倒臭いことこの上なく、自身の不甲斐なさを世の中のせいにしてはけしからんと嘆いています。
そんなけしからんおじさんの最近の標的は、ボートレース場で仕事をするパチ・スロライター。テレビをつければ連日悪質タックルのニュースをやっているように、口を開けばけしからん、お前達の主戦場はそこではないだろうとクダを巻いているのです。
僕は趣味でも仕事でもボートはやりませんから、これまではまぁ関係ない話だからと右から左へ聞き流していたわけですが、先日、あまりにもおじさんの話がクドいから僕もついイラっときちゃいまして。
そもそも僕らは、好きなことをして生きていきたいからパチ・スロという趣味を生業としているわけで、ボートの仕事をしているパチ・スロライターもボートが好きだからやっているだけのこと。それに対して周りがとやかく言う必要も権利もないし、じゃあ彼ら彼女らがおじさんに何か迷惑をかけたのかといえば当然そんなことはない。
パチスロ好きな芸人さんがパチスロ番組を持つこともあるし、マイケルジョーダンだって野球好きが高じてメジャーリーグに挑戦した。みんな好きなことをやって生きていきたいだけで、他人の人生に対して是非を問うなんて愚の骨頂。そんなことに口を挟みたがるアンタが一番けしからんよ。
そんな風なことを静かに、それでいて怒るように語りかけましたらば、けしからんおじさんは長い話のせいですっかり汗をかいたハイボールをグッと流し込み、こう叫んだのです。
俺だって仕事が欲しいんだよ!!!
己の理屈はただの妬み僻みだったことを認め、少しだけ素直になったけしからんおじさん。
ここで畳み掛けるように、そっち(ボート)にライターやタレントが流れたらこっち(パチ・スロ業界)は逆にチャンスが増えるかもしれないじゃないですかと淡い希望を抱かせたら、すっかり上機嫌になっていました。
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