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パチンコ・パチスロブログ

諸積ゲンズブール

後輩にカネは出させない

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公開日: 2018/10/10

後輩にカネは出させない。

 
 
いつぞやのブログでも書いたような気がしますが、これはその昔、鈴虫さんが僕に言い放った言葉。ライターになりたくて上京したものの、何の進展もなくただひたすらパチスロを打って履歴書を送るということを繰り返していた頃、僕のことを心配してか、たまにゴハンに誘ってくれる鈴虫さんは大きく、そして頼もしく見えたものです。
 
 
先日、鈴虫さんと制作会社の方2名、そして僕の合計4人で飲んでいた時のこと。
打ち合わせも兼ねていたので適当な、お世辞にもキレイとは言えない中華屋に入り、餃子に麻婆豆腐と軽く食事をとりながら酔う前に仕事の話を済ませたのですが、あいにく僕は移動がありましたので一緒に飲める時間は1時間半ほどしかありませんでした。
 
 
とりあえずの生から始まって、ハイボールにレモンサワーと思い思いにお酒を楽しむ中、刻々と時間は近づいてきます。
酔っ払ったディレクターが面倒臭い絡みをしてこようとも鈴虫さんは至って冷静で、ノリの良い返しをしつつも小声で僕に「ゲン、時間はまだ大丈夫か?」と、僕が帰るタイミングを逃さぬよう何度も確認してくれました。
 
いつもこう。いつもこうなんだよ鈴虫さんは。場を和ませつつも酒に呑まれることはなく、こうやって気遣ってくれる。
考えてみたら、僕は何度も鈴虫さんと酒を酌み交わしておきながら、彼がベロベロになっているところを一度も見たことがないような気がします。
 
 
たしかに鈴虫さんはだらしないし足短いしたまに変なニオイがするけれど、優しいとか面倒見がいいとか、そんな言葉じゃ言い表せないほど、とにかく僕のことを大事に思ってくれています。
何をするにも「ゲンのやりたいようにやれよ」と言ってくれて、それは決して投げやりな意味ではなく、最後には必ず「俺はゲンの味方だからな」と支え、気遣い、背中を押してくれるのです。
 
 
そんな鈴虫さんとまだまだ飲んでいたかったのですが、残念ながらここでタイムアップ。
サシ飲みであればご馳走様でしたと伝えて店を出るところですが、制作会社の方もいらっしゃったので、鈴虫さんには失礼かなと思いながらもとりあえず形だけ1万円札を取り出し、けれど冷静な鈴虫さんはきっと「ゲン、いいよ」なんて言いながらそっと1万円を返してくるだろうなと思いながらテーブルに置くと、鈴虫さんは低い声で
 
 
 
 
 
 
 
 
気をつけてな。
 
 
 
 
 
 
 
と呟いただけでした。
 
 
後輩、カネ出しました。

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