弱めに祟り目
記事一覧へ公開日: 2023/10/20
喘息は序章。
「パチンコライター業界はさながら小さな芸能界」と言ったのは大崎さんだったかヤングさんだったか。正確には把握しておりませんが、人によってギャラが違ったり共演NGがあったりマネージャーが付いている人もいたりもするし、人前に立つ人気商売である点では言い得て妙だなと思っています。
ハンドルを右に回すだけの初心者・未経験者大歓迎の簡単な仕事ではありますが、自分そのものを商品として売るお仕事ですし、代わりがいない(逆にいくらでも代わりがいるという側面もありますが、それはまた別の話)という面でも芸能の仕事と共通点はあるのかと。
今はもう時代遅れな考え方なのでしょうが、かつて芸人さんは「親の死に目に会えなくても、舞台に穴を開けてはいけない」と言われ、それが美学ともされてきたそうです。“小さな”が付随する世界で生きている私たちも、さすがに「親の死に目に会えない」ほどの覚悟は過剰だとしても、ちょっとやそっとのことじゃ休めないという自覚があるライターが大半かと思います。
特に収録となると、出演者だけではなくカメラマンさんやディレクターさん等、スタッフさんのスケジュールも押さえているし、収録のためにホールのブッキングも手配してもらっている手前、感染の恐れがある流行病以外で仕事を休むというのはとてもできません。かける迷惑がデカ過ぎます。
先週末、自転車でコケて肋骨にヒビが入りました。コケた際にハンドルで肋骨を強打してしまったのが原因で、100%自分に非がある完全自爆事故。ついこのあいだ喘息で大変な目にあったばかりなのに今度はケガかいと、自分のマヌケぶりにはほとほと嫌気が差します。
動くと痛むのはもちろんですが、それ以上に辛いのが笑うと猛烈に痛むこと。人と話したりと笑う場面が多い仕事なので、かなりの支障が出てしまっています。患部が肋骨なので、松葉杖が必要なわけでもなく、パッと見ではケガ人だと認識してもらえないことが一番不便かもしれません。電車で優先席に座るのも躊躇ってしまうし、かといって立っているとちょっとした揺れやブレーキで激痛が走ります。
人様にかける迷惑を考えると気軽には休めない仕事ですから、肋骨にヒビが入ったくらいじゃ当然現場に向かいますが、ただちょっと待てよ、とも思うのです。よく考えてみろ。芸人さんのように、極めた“芸”を披露するわけじゃないんだぞ? と。痛みに耐えて向かった先の現場で私がやることは、ハンドルを右に捻ることだけだぞ? と。
ケガ人だとは露にも思われていないせいで、現場に向かう満員電車の中で肋骨に何度も他人様の肘やカバンが当たり、痛みで頭がどうにかなりそうになるなか、パチンコライターはもっと気軽に欠勤してもいいんじゃないかなぁ……、どうせ人から尊敬されるような仕事じゃないんだし。と思った次第。
PS.発熱等、流行病が疑われる場合はみんなちゃんと休んでいます。念の為。
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