世代を引っ張る者・元クズ田中
記事一覧へ公開日: 2017/03/10
春季キャンプも打ちあがり、開幕にむけてのオープン戦がスタートするこの時期というのは、海外にいようが、ついついスポーツニュースに目がとまる。巨人以外のチームならどこが勝っても良いというアンチ巨人の父に反発してか、物心ついたころから大の巨人党だった僕だが、清原の戦力外に憤って巨人ファンを辞めてからこっち、基本的に贔屓のチームというのはなくなった。だけど、開幕直前のこの時期というのは、パチンコ屋の開店待ちをしているときと同じく、何度経験してもわくわくするものだ。
とはいえ、億を超える莫大な年俸を貰っている選手に対して、その選手の1試合分の金額に年収が届くかどうかすら危うい自分が頑張れ、頑張れと応援してどうなるのか。全盛期の藤川球児の年俸から1球あたりの金額を弾きだすと、約40万円。藤川、頑張れじゃねーよ。オレがもっと頑張れよと、そう思ってむなしくもなるわけだ。
※写真はイメージです(なんの?)
だいいち、1980年7月21日生まれの藤川と、1981年1月13日生まれの僕は、同級生。試合を締めくくった彼のガッツポーズと、ハナビで6000円勝った僕のガッツポーズが等価だとは到底思えないわけで、あるときを境に選手個人を応援することはなくなった。だけど、あの男だけは別なのだ。
松坂大輔、36歳。いわゆる松坂世代と、僕らの世代を代表する人物として引っ張ってきた彼だが、メジャーの終盤あたりから思うように活躍することができず、日本に戻ってからも苦しんでいる。Dice-Kともてはやされたのも今は昔。彼がもがき苦しむ姿は見ていてつらいし、なんとか復活してほしいとも思う。
1980年生まれは、花の世代だ。お笑い芸人ではキングコングやウーマンラッシュアワーに芥川賞作家でもある又吉と、まさに当り年。バスケットでは初のNBAプレイヤーである田臥がいて、女優では広末涼子。海の向こうにはマコーレ・カルキンまでいる。一度はこの業界にこの人ありと言われた人物がひしめいているのだ。
もちろん僕だって、松坂世代のひとりとしてスロ業界を牽引していこうと夢見たときもあった。だけど、ことスロ業界に関して昭和55年度組は不作の年(いや、もし有名なライターさんいたらすみません)。さらにはひとつ上に、嵐だ梅屋だまりもだ(敬称略)と業界の次世代を引っ張る先輩方がいるわけで、スロ業界はとうの昔に諦めた。僕にできることは松坂頑張れ、マコーレ・カルキン頑張れと、苦しむ同世代をひたすら応援する人生に徹することだと思っていたわけだけど、松坂大輔の今季年俸は4億円だし、マコーレの総資産は、いまでも1500万ドルはくだらないとのこと。他人の応援をしている場合ではないので、今日も今日とて自分を励ましながら慎ましく生きようと思います。
ライター・タレントランキング