Pバジリスク~甲賀忍法帖~2
メーシー
パチンコ・パチスロブログ
公開日: 2020/01/10
昼下がりの新宿をアテもなくふらりふらりと歩きながら、もうこのまま立ち飲み屋に入ってやろうかしらと、アルコールに身をゆだねる昼下がりもいいじゃないかと、そんなことを考えながらおもむろに肩にかけていたミニミニバッグをまさぐってみたら、入っているはずの財布がそこにはなかった。
僕は普段から財布をなくすことのないように意識し、無防備にケツポケットに入れて歩くこともなければ意味もなく机に放り出すこともなく、やめるときもすこやかなるときも肌身離さず持ち続けることを神に誓っているのに、いったい僕の財布はどこにいってしまったのだろうか。
ヨーロッパには盗られたことにすら気がつかないほど巧妙な手口を駆使するプロのスリ集団がいるときくが、新宿もいよいよそんな街になってしまったのだろうか。
コンビニで買い物をしたのは覚えているから、財布を持って出なかったということはないはずだ。となると、財布を出したのはあそこか。パチンコ屋か……。
※前日にちょっと出ちゃったもんだからほいほいパチンコ屋に行ったらこのざまである
いまではほとんどのぱちんこ台が全金種対応のサンドになっていると思うが、たとえばライトミドルのように軽くて早く当たりそうな機種を打つ場合、1万円札ではなく手持ちの千円札を1枚ずつ入れながら様子をうかがうことってあると思う。
バジリスク2がイマイチで、真・北斗無双がさっぱり回らなかったこともあって、とにかくなんでもいいから1発当てたいとたどり着いた『CR大海物語4ブラック』。199分の1ならすぐに当るだろうと、例によって1万円札ではなく千円札を投入しながら遊んでいたのだけど、引けなければ199分の1も319分の1も関係ないわけで、回せど回せど当る気配はナシ。ふざけんなよ、二度とくるかと店を飛び出したわけだが、そうか。いつもなら1万円札をサンドに入れて財布はそのままミニミニバッグに戻すところを、千円札を1枚ずつ投入していたものだから、下皿の下の空きスペースに、財布をつっこんでいたんだった。
※黒のシンプルな財布が大海ブラックにすっかり溶け込んだばかりに忘れてしまったのだと思う
あのパチンコ屋をあとにしたのは、およそ30分前。30分もの間、放り出された財布は無事でいるのだろうか。おお、神よ。祈るような気持ちでパチンコ屋に戻ってみたが、やはり財布はそこになかった。
隣の席にいた、閉店までタコ粘りしそうな気配だったオバアが消えている。完全にやりやがったな、オバア。オレの8万6000円と免許証。クレジットカードにキャッシュカードというフルセットを奪いやがった。奪った金で飲むビールはうまいのか? 人の金で食う塩サバはうまいのか? ああ、うまいだろうよ。その塩サバが貴様の血肉となり、罪と共に一生体に残るがいい。そうやってオバアの顔を思い出しながら念をおくっていたら、イケメン店員に声をかけられた。あ、財布あずかってますよ~。12番のタバコくださ~い。そんな軽い感じで声をかけられた。
なんだよジャパン。ここは天国かよ。もういくら負けても今日は勝ったようなもんじゃないかよと再び打ったら4万負けたというどうでもいい話なのだけど、隣のオバアを疑って本当に申し訳なかったということについては、ここで懺悔しておきます。送った念はキャンセルしておきましたので。
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