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元クズ田中

寝床を探して

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公開日: 2020/05/28

かつて織田裕二は『お金がない!』と、舘ひろしは『免許がない!』と嘆いたけれど、僕には家がない。フィリピンの家はおっさん3人での共同生活だったが、コロナの影響で同居人が家賃を払えなくなり(同居人のひとりはセカンドハウスとして使用していた)、6月いっぱいでの退去、そしておっさん3人生活の解散が決まった。

 

フィリピンはコミュニティ隔離措置、いわゆるロックダウンのような状態にあって、僕が6月中にセブへ戻れる可能性は限りなく低い。というわけで次にセブへ戻る際には家はなく、荷物を抱えながらまずは新居を探すこととなるだろう。

 

そんなわけでセブでは家なき子の未来が待っているわけだが、日本ではもともと10年前から自宅というものはない。日本へ戻るたびに塾長おじさんの家に泊めてもらったり、友人の家を転々としたりしていたが、短期滞在ならまだしも、もう2ヶ月以上も日本に滞在しているとなると、そうはいかない。ましてやコロナの折に毎日のように別の友人の家を転々とするわけにもいかないわけで、緊急の際には寝床を探して街をさまようこととなる。

 

不要不急の外出はもちろんのこと、野宿なんてこのご時世になにを考えているんだ。そんなお叱りを受けるかもしれないが、僕の野宿は不要不急ではなく要。生きる上で必要なわけで、身の危険がなく、雨風をしのげる場所を探していくことになる。

 

思えばこれまで、いろんなところで寝てきた。駅前のくぼみで寝ていたら出勤途中のOLさんに病気で倒れていると思われ身体を揺り起こされたこともあったし(ただの酔っ払いだとわかってものスゴいイヤな顔をされた)、目が覚めたら新宿の道路沿いで大勢のサラリーマンが出勤していたこともあった。セブの路上で寝て、起きたらすべての荷物を盗まれていたこともあったが、体にフィットするナイスな寝床が見つかったときなどは、隠れていた高設定を探し出したときのような、なんともいえない快感があったりする。

 

そんなわけでこの日もここぞというスペースを見つけ、体を横にしたのだけど、どうもしっくりこない。

 

 

 ※このくらいのスペースが一番心地が良い

 

 

というわけで万能リュックの中からアイテムをゲット。

 

 

 ※ほーら、すてきなベッドに早変わり

 

 

これで寝心地はグンバツ。抜群にいいわけで、ぐっすり朝まで寝てから仕事の打ち合わせに向かったら、相手の人が聞いてきた。今日はどちらからきたんですか、と。

 

えーと、昨日はどこそこの路上で寝ましたもので、そこから来ました。正直にそう答えたら大笑いされまして、いまなら東京のホテルめちゃめちゃ安いですよと、アパなんて税込み2,500円ですよと、その場でその日のホテルを予約してくれ、いまそのホテルにいるんですけど、なんなんでしょうか。

 

路上に直接寝るのが寝心地レベル1だとしたら、昨日ぐっすり眠った枕&タオルケットのセットが寝心地レベル8。その比較で言うと、今日のこのベッドの寝心地は2兆。同じ地球とは思えないんですけど。米トップブランドのシーリー社と共同開発したアパのオリジナルベッド『クラウドフィット』、まるで雲の上ような寝心地なんですけど(宣伝したので無料宿泊券ください)。

 

 

※15時にチェックインして、そのまま朝まで爆睡。いつまでだって寝られるような気がする

 

 

とはいえ、もうすぐ40歳。路上の子どもたちと同じ境遇を体感してみようと路上睡眠をすることはあるものの、一応は組織の理事長だ。いつまでもふらふらしていられないわけで、その日によって寝床を探し歩くのではなく、そろそろお決まりの路上ポイントを探さなければならないと思う、今日この頃である。

 

 

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