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元クズ田中

モンキーターン

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公開日: 2020/06/27

いまから13年くらい前だったか、当時まだ独身で、中目黒に住んでいた(ルーキー)酒井さんの家に遊びに行き、酒を飲んでそのまま家に泊めてもらうことになった。

 

翌日、昼過ぎにのこのこと起きてリビングに行ってみたら、テーブルの上に置かれたA4サイズの用紙に、大きな丸文字で「仕事に行ってきます。ゆっくりしていってくれ」と書かれてあった。というわけで遠慮なく風呂に湯を張ってゆっくりして、座敷の部屋でゴロゴロしていたら、あまりに居心地が良すぎて帰るのが面倒になってきた。

 

どうせ酒井さん、夜になったら家に戻ってくるんだから、それまでここにいればいいじゃないか。そして、帰ってきたらまた飲めばいいじゃないか。となると、なにかで時間をつぶさないといけない。ちょっと近所の店に打ちに行こうかな。そんなことを考えながら本棚に目をやったら、そこにはたくさんの漫画が置かれてあった。

 

「RAINBOW-二舎六房の七人-」を全巻読み、それでもまだまだ時間があったので、青いカバーの漫画を適当に手に取ってみた。それが、「モンキーターン」だった。

 

当時、僕はまだボートレースを始める前で、ボートになんてまったく興味などなく、ただの時間つぶしのつもりだったのだけど、モンキーターンを通してボートレースの魅力や激しさ、選手の気持ちや技術的な面白さを知り、それ以降、どっぷりとボートにハマった。

 

スポーツ新聞とボート専門誌を定期購読するようになり、CSのボート専門チャンネルに加入。寝る前にはその日に行われた100を超えるレースをすべてリプレイでチェックし、朝起きたらその日に行われる全レースの出走表を確認。そうするとここはまず間違いないだろうというレースが5つか6つくらいはあるので、その場と出走時間をメモしてパチスロの原稿仕事をスタート。レースの出走時間になれば原稿をとめてレースを視聴。このスタイルを確立し、ネット投票だけなら年間収支はプラスになるまでになった(現場に行っちゃうと見ができないので大負けする)。

 

別に、ボートの仕事がほしいと言っているわけではない。僕のように「見」がベースにあって、カタいレースだけ拾っていくスタイルは仕事にならないし、そもそもやるつもりもないのだけど、これだけモンキーターンを、ボートを熱心にやっていたのだから、6号機のモンキーターンも放っておくわけがない。珍しく熱心にシステムを勉強して打っているのだけど、さっぱり勝てないのである。

 

950で当って緑、緑ときて一般戦の鬼が確定。さらに2連目に榎木さんに逆転勝利し、逆襲の艇王に突入した1G目に強チャンス目を引くという、思わず「デキた」と叫びそうになる展開にもかかわらず、7戦目の黄色にハジかれて、理論値を大きく下回る920枚。

 

 

 

 

いまだ一度も勝てないこいつを打つよりも、手堅くボートをやったほうがいいんじゃないかと思わないでもないが、それは言わない約束。そう思いつつボートのサイトを覗いてみたら、そうか、いまはグラチャンやってんのか……。

 

 

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