サウナ道 31

サウナハットをかぶるのは、サウナを快適に利用するため。サウナ室内は基本的に乾燥しており室温も高いため、サウナハットをかぶることにより頭への直接的なダメージを軽減し、髪を乾燥から守ることができるのです。

しかし見た目はノッポさん、しかも裸ですから、サウナハットをかぶっている姿はサウナに興味のない人から見れば異様も異様。慣れれば問題ないものの着用までのハードルは思いのほか高く、少なくとも初めて親の前で見せたサングラス姿くらいは高いと言えるでしょう。

先日も宿泊先のホテルサウナでサウナハットを利用した際、ハット姿が珍しいのか、同室した若者がチラチラと見てきました。まぁ、その気持ちもわからなくはありません。設備が充実した広めのサウナ施設ならまだしも、2〜3人しか入らないようなホテルサウナでサウナハットを着用するのは、体育の時間にユニフォームを着る小兵二のようなものですから。

ホテルサウナは狭めのつくりが多く、ここのサウナも天井まで拳2つ分ほどしかないベストなつくりでしたので、上段に座ればあっという間に汗が噴き出してきます。若者も同じく上段に座っていたのですが、あまりの熱さに耐えきれなかったのでしょう。数秒ごとに持ち込んだペットボトルで喉を潤し、ものの数分でサウナ室を後にしました。

とはいえ、この日の利用客は僕とこの若者2人しかおらず、水風呂でも休憩所でも、常に若者と行動を共にすることに。そんな状況でしたから、若者も親近感が湧いたのでしょう。先ほどから気になっている様子のアレについて聞いてきました。

「サウナハットって、やっぱり効果ありますか？」

ホテルサウナでハットをかぶり、上段に座っても平気な顔をしている僕を見て、サウナハットに俄然興味が湧いてきたとのとこで、目を爛々とさせながら聞いてきます。ですから僕も、その期待に応えるように懇々とサウナハットの良さを説いたところ、オレも買います、すぐにネットでポチりますと、そそくさと浴場を出ていきました。

よかったよかった。これでまたサウナを快適に利用できる人が増える。

ただ若者よ。キミはまず体中に彫られたタトゥーをどうにかしないと、サウナハットを買っても行けるサウナが限られてくると思うぞ。