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元クズ田中

鬱の国からこんにちは(元クズ田中)

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公開日: 2016/12/15

いやー、今日はなんか気分落ちててさあ。ほんと鬱でまいっちゃうよ。

 

友人同士で交わされるこんな会話は珍しくなく、鬱というのは落ち込んだ気分を形容する言葉のひとつだと思われがちで、事実、僕も同じような認識を抱いていた。そう、自分が鬱になるまでは。

 

打たれ弱く繊細な一面はあるが、もともとが前向きな性格である。日々の小さなストレスは、まあいいやと受け流したり、酒を飲んで記憶から抹消してきた。だけどここ数ヶ月、自分のなかで処理できない大きなストレスを抱えたことで、そのバランスは崩壊した。

 

大きなストレスの元は、自分が認識しているところで2つ。この2つが心のフィルターをすっぽりと覆いつくしてしまい、その結果、これまで自然と排出できていた無数の小さなストレスすらも、処理できなくなった。そして、飛行機が不意にエアポケットに入るかのように、僕の心はとある瞬間、突如としてシャットダウンしてしまった。

 

まあ、恐らくは時間が解決するのだろう。そう思って最初は放置していたのだけど、体験してビックリ。鬱というのはあらゆる意欲を飲み込むブラックホールのようなものだった。食欲がなくなり、性欲もなくなり、行動意欲もなくなり、なにもすることができない。幸いにも睡眠欲だけは残っていたので布団から一歩も出ず、水だけ飲んでは寝てを繰り返していたら、それだけで48時間が経過していたこともあった。

 

気分が落ちるなどといった簡単なものではない。心が締め付けられるような思いを慢性的に抱えながら、出口のない(モノクロの)絶望の世界にひとり置き去りにされる。そしてときおり、こうささやいてくるのだ。

 

「ベランダから飛び降りちゃえ」

 

それが、僕の体感した鬱だった(飛び降りることを意識した直後に冷静な自分がその考えを打ち消すので飛び降りることはないが、冷静な自分がいなくなってしまったらどうなるのだろうと考えたときは恐怖だった)。

 

そんな中で僕は、しばらくSNSを離れることにした。それはなぜか。タイムラインに流れてくる様々な言葉の中に、自分のストレスの元凶となっているものに関連したワードがあると、それを見ただけでフラッシュバックのように、イヤな思いが蘇ってくるのだ。少しラクになったかなと思って気分転換にSNSを覗いては、関連ワードからのフラッシュバックで心が締め付けられ、そこから数時間、また絶望のどん底に舞い戻る日々。SNSから離れないと、おかしくなってしまうのではないか。これは、いわば自分自身を守るための手段だった。

 

そんな状況だから12月頭に控えていたセブ行きもキャンセルして、家でひとり閉じこもりたかったのだけど、今回のセブ行きは就労ビザの更新というとても重要なミッションがある。ここで行かなければ数年前に苦労して取得した就労ビザが消滅してしまうわけで、ほとんど無理やり飛行機に飛び乗ったのだけど、これが良かったのかもしれない。

 

自分にとって日本での生活というのは、本能を理性で押さえつける生活。こうあるべきだという世間一般や周りのイメージに自分を合わせにいくようなところがあるが、東南アジアでの生活は逆に、理性を開放して本能を解き放つ生活。世間一般のイメージなんてまるで気にせず、ただひとりの人間として生きることができる。そんな生活の中で、心のフィルターの詰りが少しずつ解消され、ストレスを外に出すことができるようになってきた。

 

フライデーにコカイン疑惑を報じられ、消えてなくなりたいとさえ思った成宮くんが東南アジアに行ったのではという報道があるが、コカイン使用の真意はさておき、消えてなくなりたいという心境の先に東南アジアを見た気持ちはわかる。ここにはたしかに、すべてのしがらみを取り払った、人間本来の姿に戻れる、そんなパワーがある。

 

自分はこれまで鬱だったり、たとえば依存症だったり、そういった心の病気に対する認識が足りなかった。乱暴に言うと、心のどこかで「気合いが足りないからそうなるんだ」という間違った考えを持っていたのだと思う。正直、できることならこんな経験はしたくなかったが、いまのタイミングでこの気持ちを知ることができたのは、後の人生にきっと意味があるのだろうと、運命論者の僕はそう思うわけだ。

 

ストレスを吐き出せる環境というのは、とてもありがたいものだ。誰にも言えずにひとりで抱えていたら、取り返しのつかないことになる可能性だってある。そう考えたら、ぱち&スロの負け自慢だって、大きなストレス発散のひとつだろう。

 

地元の友人に、スロで大負けをしたときにだけ電話をしてくるやつがいる。今日はこの台を打って、高設定だったはずなのにこんなにハマった。プレミアムのフラグを引いたのに、ATが一瞬で終わってしまった。大負けしたその日の出来事を、朝から順を追って話し始めるこの電話を、僕は密かに地獄の電話と呼んでいたのだけど、いいじゃないか。彼のストレスがそれによって少しでも発散できているのであれば、それでいいじゃないかと、そう思えるようにもなった。

 

悩んでいるのは、僕だけではない。苦しみを抱えているのは、あなただけではない。どうか、その思いを吐き出せる場所があることを願うし、なければ地元の友人に地獄の電話をかけたっていい。それでもダメなら、東南アジアに行って道端の屋台でしこたまビールを飲んでくればいいじゃないか。

 

いまこのブログは、タイのドンムアン国際空港から成田空港に向かう、エアアジアXJ606便の機内で書いている。

 

正直、東南アジアの生活で少しラクになったこの気持ちが、日本に帰って元に戻ってしまうんじゃないかと、不安いっぱいである。不安ではあるが、受け入れて前に進もうじゃないか。

 

おっと。飛行機が着陸に向けての最終体勢に入るようなので、それではこのへんで。今日は、月がキレイだ。

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