セブのカオルちゃん・元クズ田中
記事一覧へ公開日: 2017/06/16
セブという小さい特殊な島だからこその出会いっていうのがあって、これまで日本では絶対に出会わなかっただろうなという人とも出会ってきたが、そのなかで圧倒的な存在のTさんという人がいる。
岸和田少年愚連隊のなかにカオルちゃんという怪物のような登場人物がいるが、イメージとしては、まさにそれ。その姿を見た瞬間に2万%勝てないことを動物の本能として悟るほどの威圧感があり、実際に腕っぷしも化け物級とのこと。ビジネスに関しても剛腕でがしがしと押し進め、あるときは億を超える資産を持つものの、次に話を聞いたときには全財産がなくなっているということの繰り返し。これまで億→ゼロ→億→ゼロというのを数年単位で繰り返し、人づてに聞いたところによると、いまはまた這い上がるチャンスをゼロからうかがっているということだった。
そんなTさんが先日、知り合いのフィリピン人と一緒にシンガポールに行き、カジノで勝負をしたらしい。元手はそのとき財布に入っていた20万円。パッと勝負してパッと帰るつもりだったようだが、その20万円がバカラであっという間に6000万円になったというのだから、やはりこの人は持っているというほかない。よし、これをもとにもう一度ビジネスで……と思えばいいのだけど、やはり怪物である。その6000万円を持ってそのまま時計屋に行き、一緒に行っていた友人みんなにロレックスをプレゼント。自分は4000万円もする時計を購入したそうである。
3000円の時計でも買わない僕からしてみれば、まったく理解できないのだけど、それでもまだ1500万円ちかく残っているわけで、しばらくは悠々自適な生活が送れるだろう。そう思っていたわけだが、さらなる勝ちを目指して翌日に再び勝負に行った結果、残った1500万円はあっという間になくなり、さらに4000万円の時計を質にお金を借り入れたが、それもすべて負けてしまって、無一文になったのだという。
カジノで106億円を溶かした大王製紙の井川氏が著書で書いていたが、そもそものきっかけは家族旅行で行ったオーストラリアでの初カジノ。そこで100万円が2000万円になったことがハマったきっかけだったというし、時には150万円が4時間半で22億円になったことすらあったという。少ない(といっても僕からしたら莫大な金額だが)元手があっという間に数千万円、数億円になる可能性のあるカジノは夢がある。勝っているときの全能感と負けが込んできたときの絶望感。この落差が激しいからこそ抜け出せなくなるのだと思うが、僕にもいよいよカジノで闘う日がやってきそうだ。
ちょうど来月、日本に帰るのだけど、経由地としてマニラへ立ち寄る予定があって、かねてから視察しようと思っていたスロメーカー、ユニバーサルエンターテインメントが作ったカジノ、【オカダ・マニラ】へ行ってこようと思っている。オカダ・マニラのスイートルームは1400㎡もあると言われているが、果たして2億くらい勝ってスイートに泊まることができるのか。詳細は、ここで報告するようにしたいと思う。
……ちなみに、Tさんはやることは豪快でも、やくざではないし反社会勢力でもない。僕も年に1回くらいだけ、タイミングが合えばお会いすることがあるのだけど、そのたびに「田中くん、ライターだったらオレの本を書いてみるか?」と言う。だけど、どの話もスケールが大きすぎて、事実をそのまま書いただけでも誰も本当だと信じてくれないだろう話ばかり。それゆえにお断りさせてもらっているのだけど、億とゼロを行き来するTさんの人生が今後、どのように転がっていくのか。こちらにも引き続き、注目したい。
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