カジノのパチ屋・元クズ田中
記事一覧へ公開日: 2017/09/08
出会いを求めてスロ屋に行っているわけじゃないし、つるんで打つのも嫌いだから同じ店に仲間なんていやしない。そんなことだからスロ屋に行くときはだいたい寝て起きたまんまのジャージ姿にサンダル履き。だからといって誰に文句を言われるでもない気取らなさが僕にとってのパチンコ店の魅力のひとつなのだけど、そんな感覚でオーストラリアはゴールドコーストのカジノに入ろうとしたら、入り口に立つムキムキのセキュリティガードにお前は入らせないとすごまれた。どうしてだ、長ズボンを履いているし、サンダルじゃなくて靴じゃないか。そう反論したら、履いているジーパンに穴が開いているからダメというのが理由だったわけで、カジノというのはやはり紳士淑女の社交場。そんなイメージがあったものだから、僕はカジノがあまり好きではなかった。
だけど、そのイメージはフィリピンにきて覆される。フィリピンのカジノは国営企業であるPAGCOR(Philippine Amusement and Gaming Corp)というところが管轄している国営ギャンブルなのだけど、そこに気取った雰囲気は皆無。セブのホテルに入っているカジノでも短パンだろうがビーサンだろうが問題なく入れるし(野球帽は、天井から不正監視しているカメラから手元が死角になるのでNG)、現地のおじちゃん、おばちゃんもたくさんいる。たとえばバカラのミニマムベットは500ペソ(約1065円)。法で定められたセブの1日の最低賃金は僕が把握している2017年頭の時点で366ペソ(約780円。時給ではなく日給)だから、たった1度のベットで日給以上の金が動くことになるが、おばちゃんたちは大きく賭けている人のベットに自分の少額を乗せてもらって遊んだり、こう、なんというか、昔のパチンコ屋にあったようなほのぼのとした空気感がそこにはあるのだ。
そんな日本のパチンコ屋のような空気が漂う空間に、本当に日本のぱちんこが入るというのだから驚きである。
前回ここにも書いたように、噂は前々からそれとなく聞いていた。つい先日、大きなモールの上に東横インという日本のホテルがオープンしたのだけど、そのモール内にカジノができ、さらには日本の海物語が入るのではという噂は耳にしていたが、なんとオープンは来月の10月予定。さらに24時間営業だという。
過去にマニラから120キロほど離れたタルラックという地域に、日本の法人が運営する、日本のパチンコ屋風の店があった。パチンコ屋ではなくパチンコ屋風。日本のぱちんこをそのまま持ち込んで営業しようと思っていたようだがいろんな問題があってそのままでは無理で、フィリピン仕様のオール液晶に改造した機械で営業していたが、換金行為を合法的に行えないなどいろいろ問題があって、いつのまにかなくなっていた。
日本での市場が縮小しているなか、海外で展開できるチャンスがあるならと考えているホールはもちろんあるのだろうが、そんな中でオープンが決まったセブのパチ屋。ゲームセンターという体でやるのか、それとも国のお墨付きで換金のできるPAGCOR管轄なのか。休みのない24時間営業、釘が存在する日本式のぱちんこでどうやって細かな利益設定をするのか。大当りや確変の確率は日本のままなのか、それともフィリピン仕様になっているのか。現地の人たちにその面白さは伝わるのか。疑問は尽きないわけだが、昨日、Twitterでパチ屋オープンの一報を書いたところ、すでに複数の業界関係者から問い合わせがきたことをみても、みなさんやはり興味はあるのだろう。
僕としては現地で得た情報をもったいぶって金に換えてやろうとも思っていないし、僕のセブライフがより楽しくなればいいだけなので、その店に迷惑をかけようとも思っていない。ただ、いまは仲間と酒を飲みながら、どんな機種が入るんだろうと、24時間並んで打ち続けようぜと、そんな話をしている時間が、昔に戻ったようで楽しかったりする。
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