中堅とベテランの狭間で・元クズ田中
記事一覧へ公開日: 2017/10/07
気がつけば、フィリピンに移り住んで、もうすぐ7年になる。10年選手は大ベテラン。いつまでも2~3年目の若手気分でいたが、いつの間にか中堅からベテランにさしかかる年数をここで過ごし、日本に戻っていった先輩方も数多く見送ってきた。まだまだご健在な20年選手の存在に安堵しながらも、いつかは僕もベテランと呼ばれるときがくるのかなあと考えたりする。
還暦をすぎた20年選手が中心となっていた時代は少しずつ変わり、いまはその下の世代。セブのコミュニティは40代がメインとなり、さらにもうひとつ下の20代、30代前半世代は独自に集まり、新しいムーブメントを作ろうと行動を起こしている。なんとも健全な流れだとは思うが、そんな大きな流れのそばにあって、僕の周りだけ川の淀みのように、ピタッと流れが止まっている。
一言でいうなら、僕は意識の低い人間だ。自分が上に立ってコミュニティを引っ張っていこうとは思わないし、下の立場から新しいことをやってやろうという意欲もない。頑張るでもなく、サボるでもない、自分のやりたいことを過不足なくやって、日々を暮らしていければそれで良いと思っているので、周りから見るときっと、ツマらない人間にうつるだろう(まあ、事実ツマらない人間である)。
セブには7年いるが、パチスロライターは9年やっていた。文章を書いてお金をもらっているという意味で言うなら、ライター業は現在進行形で16年やっているが、パチスロライターという意味では21歳~30歳までの9年間。これまた、10年選手には一歩届かない、中途半端な立ち位置だ。
セブと同じくスロ業界も、キャリア20年以上の人たちが上でどっしりと構えて、野心ある若い世代が動画を武器に新しい流れを作ろうとしている姿は、外から見ている限り、健全そのもの。セブもパチスロメディアも、まだまだ盛り上がっていくだろうなと思うわけだが、スロ業界においてもキャリア実質9年。知識があるわけでも気の効いたことが言えるわけでもなく、キャリアと共に淀みの中で止まっている自分自身に期待できることというのは、なにひとつとして、ない。
なんてツマらない人間だろう。心からそう思うが、なんてラクなんだろうとも思う。もはや人間的成長の見込めない隠居人生を送りながら、期待するのはたまに日本へ帰った際のつかの間のパチスロ。次の帰国は10月20日~31日。日本からの情報をもとに、いまは『盗忍!剛衛門』を打つのが楽しみで仕方ないが、盗忍の文字をなんと読めばいいのかは、いまだにわかっていない。
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