夢の一撃3桁乗せ

わりと仲の良い友人の女の子が仕事の絡みで出会った資産3桁億を超える年上の男性から結婚を前提とした交際を申し込まれたのだが、丁重にお断りをしたらしい。

理由は｢別に好きじゃないから｣とのことだったが、資産数百億の実業家ともなれば一世を風靡した清楚な女優とだって、バラエティで大活躍の天真爛漫なタレントとだって結婚できるわけである。顔がどうだ、性格がどうだはいったんさておき、とりあえず結婚してしまえば残りの人生、ずっとウイニングランじゃないかよとも思うわけだが、彼女の価値観でいうと、好きな人にお金があればあるに越したことはないが、好きでもない人にいくらお金があろうとも、そんなものは関係ないんだそうだ。

逆に、とある知り合いが経営しているスポーツジムで働くトレーナーの若い男性が、そこの担当でついたこれまた資産数百億円の(二回りくらい)年上の女性にアプローチされて、こちらはめでたく結婚したそうだ。僕はこの男性とは面識がないのでそこに愛があったのか、そのあたりの経緯は存じないが、その彼は20代にしていまや億万長者。いわゆる逆玉にのり、ジムも辞めて悠々自適に暮らしている。

彼女と彼、どちらが良いとか悪いとかそういう話ではなく、人の価値観というのは様々だ。同じスロライターという職業だって、少しくらい損をしても、いかに楽しく打つかを追求する人もいれば、勝ってお金を得ることこそが正義だと信じる人もいる。朝から宝さがし感覚で高設定を探すプレイヤーもいれば、期待値がプラスの台だけを徹底して打つ人もいる。いろんな人がいるからこそホールの人間模様は面白いのだけど、それにしたって一撃数百億円の大ギャンブル。これに人生を全額、オールインするのって、とんでもなく痺れることなんだろうなと思う。

まあ、結婚に関しては外見の要素も多分に影響するわけで、そういった意味では残念な僕の顔面では当りのない宝くじを買い続けるようなものだとは思うのだけど、冒頭に書いた友人女子に結婚を断られたその男性には、絶対に諦めないでとここで伝えたい。きっと彼女は情熱で押せばいつか心を開くタイプだと思う。そして彼女はけして贅沢を好まない、慎ましやかな女性だとも思う。きっとあなたの潤沢な資産でフィリピンの子どもたちを救ってくれると思うし、もしかしたら僕がこの間、番長3で負けた2万円を補てんしてくれるんじゃないかとも期待しているので、どうか、どうか諦めないでほしい。