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パチンコ・パチスロブログ

元クズ田中

人生の台本

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公開日: 2017/12/22

年がら年中、いつだって短パンとビーサンで過ごすような国に住んでいると、季節感というものはほとんどない。そりゃ、4月5月の真夏は雨があまり降らないだとか、8月は日本からの観光客が増えるだとか、そういった面で多少は感じることはあるが、どこからか漂う金木犀の香りに秋の訪れを感じ、初雪に心躍らせるような、そんな季節感とは無縁の生活である。

 

まあ、ある意味ではパチンコ屋の中も効いているのが暖房か冷房なのかの違いだけで、いつだってロンT1枚が適温の店内で季節を感じるのは、店員さんがやっつけで作ったハロウィンの飾りつけを目にしたときくらいのもの。気がついたらいつの間にかやっている、ファン感謝デーの時期を覚えているプレイヤーなんてほとんどいないだろうし(調べたら毎年11月中旬とのこと。ボーナス時期への撒き餌か)、打ち手にとって重要なのは季節よりもゾロ目の特定日だとは思うのだけど、それにしたってまだ12月の頭くらいかと油断していたら、もう12月22日ですって。編集者から送られてくるメールに年末進行という文字が踊り、気がつけばあと10日ほどで2017年も終わりである。

 

フィリピンに住み始めてから、丸7年が経とうとしている。ガイドでがっちり仕事をしていたのが9年間だから、もうすぐセブでの生活が、NPOに携わる期間が、人生においてもっとも長いものとなるが、いまあらためて振り返ると、なんでセブになんて住んでいるんだろうと思う。

 

瞬間、瞬間でなにかピンとくるものがあっていまここにいるのだとは思うが、そんな瞬間的なものなんて覚えちゃいないわけで、自分がいま、なんでこんなことをしているのか、正直いってわからない。まあ、楽しいから別にいいんだけど、わからないものはわからないわけで、もう、これはこういう役なんだと思うようにしている。

 

そもそもが、運命論者である。自分の意志を超えるなにか大きな力によって人は動かされていると思っているので、神なのか秋元康なのかはわからないが、誰かが書いた台本のなかで僕は田中宏明という人間、その役を演じている。その台本は直前まで見ることができないので、手渡されてはじめて、「へー、パチスロライターになるんだ」だとか、「あ、オレってセブでNPOやるんだ」と知ることになる。役を演じているだけだからしんどいことがあっても「これはこういうシーンなんだ」と思えるし、別にお金がなくたって「そういう台本なんだな」と割り切れる。

 

あなたが昨日、8万負けたのも、いま割に合わないキツい仕事をしているのも、きっと台本。その物語がハッピーエンドなのかどうかはわからないけれど、いつ劇的な台本を渡されてもいいように、いつセンターに立てと言われてもいいように、お互い、準備だけはしておきましょう。メリークリスマス。

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