クズ回帰
記事一覧へ公開日: 2017/12/29
年が変わったからと言って自分の置かれている状況や能力、周りからの評価が急に変わるわけじゃねーんだぞと、なにかを変えたければしっかりと自分が意識し、考え方や行動を変えないことにはどうにもならないんだぞと、たしか2017年のはじめに自分に言い聞かせるために、そして鈴虫にも届けばいいなと密かに思ってそんなことを書いたと思うが、やはり人というのはそう簡単に変わるものではないようだ。
結局のところ、2017年を振り返ってみると(個人としては)これまでとあまり変わらない一年だったわけだが、僕はいったいどう変わりたいのだろうと、この年の瀬を機にあらためて考えてみたら、別にちっとも変わりたくなんてないことに気がついた。
街道一の大親分が清水の次郎長なら、回胴一の真人間が僕である。いや、真人間だと思われているのが僕である。たしかに、道で物乞いをする子を見て、なにかできることはないだろうかと考えるほどは純粋だ。謙虚であれ、素直であれと親や恩師に言われ続けて育ったから、謙虚さは常に持っている。これで顔さえよければ女子ライターいきまくりのパーフェクト超人だとは思うが、その反面、クズでもある。カイジと同じ類の、根本的なクズでもある。
本当は6面体のサイコロのうち、真人間とクズ、どちらも3つずつのはずなのに、ここ数年は周りが僕に真人間を求めているんじゃないかと勝手に考え、シゴロ賽よろしく、無理やり真人間の目を出し続けた部分があった。しかし今年はスロ関係だけでなく、NPOの部分でも周りが僕にクズの部分をある種、期待するようになってきた。真人間がまっすぐNPOに辿りついたストーリーよりも、どうしようもないクズが急にNPOに興味を持ったストーリーのほうがお好みらしい。だったら隠す必要もないじゃないかというわけで、2018年はしっかりとクズの目も出していこうと思っている。変わるのではなく、言うなれば、原点回帰というやつだ。
今日のニュースにHISの現役社長が秘書もつけずに長期の一人旅に出るとあった。その理由が「自分の発想が豊かではなくなってきたから」とのことだったが、いつの間にか僕も真人間のほうに針が振れ過ぎて、思考が同じようなところばかりをぐるぐるとまわっていたように思う。そんなところに風穴を開けるためにも、来年のテーマはクズ回帰。とりあえず来年は、やりたいことを躊躇せずにどんどんやって、クズがままに生きていこう。そこから生まれた考えが、そこからつながる縁が、また僕を楽しいところへと連れていってくれるような、そんな予感がしている。
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