イメージに生かされて
記事一覧へ公開日: 2018/04/07
イメージというのはとても大切だ。ひと昔前にフィリピン旅行に行くと言えば、中年オヤジの買春旅行が一番にイメージされ、7年前に僕がフィリピンに住むと決めた際は、「フィリピン? あ~、こっちね」と小指を立てて薄ら笑い浮かべる人も少なくなかったし、事実、フィリピン行きの飛行機の中にはひと目でソレが目的だろうとわかる目つきの悪い連中が大勢いた。
しかし、いまはどうだろう。若い世代はフィリピンといえば英語留学を真っ先に思い浮かべる人も多いだろうし、フィリピン観光省のアピールや外国に特化した日本のテレビ番組、格安航空会社の出現によってその距離はグッと縮まった。安くて近いアジアのビーチリゾートというイメージが定着すれば、今後まだまだフィリピンを訪れる層は拡大していくだろう。
僕もまた、イメージによって生かされているひとりだ。自ら名乗っていたことからもおわかり頂けるように、僕の本質は明らかなクズだ。働きたくないからスロで日銭を得るが、面倒だからそこまで一生懸命にはやらない。それなのにいっちょまえに酒は飲むものだからタネ銭がなくなり、借金をする。絵にかいたようなクズで、一歩間違えば野垂れ死んでもおかしくなかった、いや、これからだってその可能性は十分にあるのだけど、「礼儀正しくする」「嘘はつかない」という小学校低学年の目標のようなことが(両親や恩師のおかげで)最低限できたという一点のみで先輩方に可愛がってもらい、先輩方が抱くそのイメージの自分であろうとすることで、僕の性格というのは大きく変化した(本質のクズは一生、変わらないと思うけど)。
一度、定着してしまったイメージを覆すのはなかなかではないけれど、変えることができたのであれば、それを維持することはさほど難しくない。僕はまあ、言ってしまえばNPO関連も含めて「田中はなかなかいいやつだ」というイメージにうまく乗っからせてもらっている部分はあるし、フィリピンもいまのイメージを定着させることができれば、観光業はまだまだ伸びていくだろう。実際、僕の友人には観光業に従事する人間も少なくないが、三年前までその月の従業員の給料を払うのすらぎりぎりだった会社が、特にここ1年はひきりなしにお客さんがきて、率直に言うと、かなり儲かっている。
イメージでメシを食う。文字にするとなんだかイヤらしい感じがするけれど、タレントはコマーシャルでイメージを売ってお金をもらっているし、大手パチ屋は出玉よりもイメージで客を呼んでいるし、どんな台か知らなくても番長Aは番長のイメージだけですでに打ってみたいし。
そんなことをイメージしながら、今日も元気に楽しいイメージで、一生懸命に仕事をするイメージをして過ごしたいと思いますので、皆さまもぜひ、高設定をつかんで万枚を出すイメージで。
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