そんなメヒコに魅せられて
記事一覧へ公開日: 2018/05/19
アメリカン航空、羽田発ロサンゼルス行きAA26便を降り、そのまま空港でレンタカーを借り、メキシコとの国境付近で車を乗り捨て、徒歩で国境を越えた瞬間に、フィリピンとはまた違った独特のニオイがして、思わず嬉しくなった。
初めてのアメリカ大陸。ロスはほとんど素通りしてメキシコ、そしてキューバへと流れる今回の旅。治安が悪いと言われている国境沿いの街は聞きなれないスペイン語を聴くだけでわくわくするし、まだ見ぬキューバの地を想像するだけで心がおどる。
モスバーガーに行けばフィッシュバーガーしか食べない、初見のスロ屋に行けばニューパルしか触らない僕は、元来、保守的な人間だ。どちらかというといつも通りのルーティーンを大切にする、変化を嫌う人間だから新しい地への旅というのは積極的には行かないし、スロを打つにしてもイベントに応じて店をかえるのではなく完全なるジグマ。ひとりの人を生涯、愛し続けるタイプだからセブにいれば満足なのだけど、いつだって後先考えずに一歩を踏み出させるのは、お酒のおかげだ。
最近はお酒の失敗が報道されることが多いが、お酒というのはうまく付き合えば人生にノリと勢いを与えてくれる存在だ。僕がガイドを離れてフィリピンに住むことを決めたのも酒井さんと緑茶ハイをしこたま飲んだうえでの勢いだし、このメキシコ旅行もテキーラを飲んで勢いで決めたのがきっかけ。シラフの冷静なときにいくら考えたって、僕のような小物はどうしたってリスクや辞める理由ばかり考えてしまうわけで、そんなものは酒の勢いで全部すっ飛ばしてしまって、その先のことなんて後から考えればいいのである。
飲めば飲むほど実力を発揮する酔拳のごとく、ときには後先考えず飲むことも必要。今日、明日はメキシコ。明後日からキューバということで、来週のこのコラムで良い土産話をお伝えするためにも、それでは本場のテキーラを飲んできます。
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