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元クズ田中

みなしバイクに乗って

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公開日: 2018/08/10

JICAの調査によるとフィリピンは国内の渋滞の影響で1日あたり約41億ペソ、日本円にして85億円の損失が出ているということで、いくら取りこぼしに寛容な僕でも、さすがにこれはいかんだろうと、車ではなく、渋滞をすり抜けられるバイクを日常の足にしている。

 

政府も渋滞をなんとか緩和させようと、セブではモノレール(のようなもの)の建設を検討したりしてはいるようだが、まあ、それはさておき、バイクに乗るフィリピン人はことのほか多く、バイクで通勤しているうちのフィリピン人スタッフが、事務所に入ってくるなり僕にこう言った。

 

検問で止められて確認してみたら車検が切れていて、あやうくバイクを没収されそうになった。なんとか没収を回避してすぐ車検を通したけど、あんたのバイクは大丈夫か?

 

バカを言っちゃいけない。僕に限ってそんなイージーなミスをするはずがない。毎年、きっちりやっているに決まているだろう(フィリピンのバイクの車検は排気量にかかわらず毎年やる必要がある)。そう思いながらも、念のために車検証のようなものを確認してみたら、あららら。2015年以降、1回も車検を通していないんですけど……。

 

もちろんこれは交通違反なので反省をしているし、違反を肯定するつもりは毛頭ないことをここに明記しておくが、とにかくこのままの状態でバイクに乗り続けるわけにはいかないというわけで、さっそく、車検を通しに行くことにした。

 

フィリピンでは免許の発行や車検などはLTO(Land Transportation office)と呼ばれる日本でいう陸運局で行うのだけど、そのあたりまで行ってバイクを止めると、近くでダベッている年齢不詳の男たちがわらわらと寄ってきて、こう言う。

 

サー。あっしが手続きのお手伝いをしやす。

 

別に自分ですべてをやってもいいのだけど、こういう人たちに100円、200円のチップを渡せば、排ガステストから自賠責保険の加入までそのへんを走り回って必要なことを全部やってきてくれるので、僕にとっては大変にありがたい存在。

 

※画像の用紙は友人のものですが、こんな感じですべての書類を集めてきてくれます。

おかげさまで11時に行って13時過ぎにはすべてが終わる、フィリピンの役所にあるまじき破格のスピードで手続きを終えることができたのだけど、さすがに3年も車検を忘れていて怒られるかなと、書類提出&支払いの際に怒られることを覚悟してドキドキしていたら、まったくなにも言われず。車検証の支払い明細の欄にペナルティ360ペソと書かれているのみ。ペナルティは1年で120ペソ(約250円)。3年間車検を通さなかった罰は、750円とのことだった。

 

もしフィリピンにパチスロがあれば、5号機の検定切れとか、みなし機だとか、そんな問題なんて起こらないだろうなあと思った金曜の午後。120ペソだから別にいいやなどと油断してみなし機ならぬみなしバイクに乗らず、次からはきっちり車検を通すよう心がけます、はい。

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