優良店さえあれば
記事一覧へ公開日: 2018/08/18
はじめて一人暮らしをしたのが18歳のころだった。窓を開ければ大勢の路上生活者が目に入る大阪は西成のマンションを吉本の養成所に紹介されたわけだが、いま考えるとワンルームのあの狭い部屋に68000円は完全なるぼったくり。吉本が不動産屋と結託して、養成所の当時600人ともいわれる生徒の家賃からいくらかを抜いていたと思うのだけど、そこから東京にきて亀有の65000円の1Kに始まり、葛西の2DKで5年の同棲生活を経て、豊島区の1LDK、足立区の3DKと流れ、セブにやってきた。
その後もセブの2LDKでスタッフとの共同生活をはじめ、ワンルームのコンドミニアム、西東京市は田無のワンルーム、セブのワンルーム、静岡は沼津のおんぼろアパートときて、いま住んでいる1LDKの部屋に落ち着いているわけだけど、また、そろそろ引っ越しをしなければいけない状況に陥っている。
日本で引っ越しをする際は飲み場である新宿、高田馬場へのアクセスはどうか。近所に良いパチンコ屋はあるか。ババアが細々とやっている小料理屋とスナックはあるか。このあたりを優先条件として探していたが、セブで24時間営業のカジノの近くになんて住んだら破滅することが目に見えているので、なるべく仕事場に行きやすい、数少ない選択肢のなかからなんとなく選んだ部屋に住んでいた。
しかし、フィリピンという国はどこまでも理不尽だ。いままで月に3000円で、家にくっついているバイクの駐車場を借りていたのだけど、先日、ポストにお知らせが入っていて、こう書かれていた。
8月31日より駐車場の使用は買取のみとなります。使用したい方は車なら160万円。バイクなら30万円で駐車場を買い取って使用してください。
自分で購入したわけでもない、賃貸で借りているだけの物件の駐車場を買い取れるわけがない。いま、住んでいるところは2棟の建物があり、敷地内に新しく3棟目を建設している最中なのだけど、その3棟目の建設費用が足りなくなったに決まっている。資金が足りなくなったものだから、現金を用意すべく慌てて駐車場を売りに出すという愚策に出るのがフィリピンだ。そんなわけで、数少ない現地の不動産サイトを見て物件を探しているのだけど、目に留まるのは家賃30万円オーバーの豪邸ばかり。
※月額30万円も出せばこんな豪邸に住めます。
しかしいくらひとりではなく誰かとシェアして住むとしても、家賃30万円は不可能。というわけで探していたら……あった‼ どうでしょう、家賃約12万円で4LDK。中庭もあるモダンなこのおうちは。これを4人でシェアしたら、ひとりずつ部屋があってお家賃は3万円ぽっきり。
近くに優良店さえあれば立ち回りの鬼になって月に12万円くらいならひとりで勝ち取ってくるのだけど、残念。P-WORLDで検索しても周辺には1軒もホールがないようなので、シェアメイト絶賛募集中です。
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