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元クズ田中

思い出づくり

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公開日: 2018/08/30

ガイドで連載していたので知っている人もいるかもしれないが、2016年にとある会社から、すでに閉店状態のパチンコ屋を営業権ごと買い取ったから、初期投資2億円でオープンできるまでにしてくれないかと頼まれ、立ち上げに向けて動いていた時期があった。

 

結局、その話は会社内部の事情で1年後に立ち消えたのだけど、その1年間で経営素人の僕は粗利だ利益だといろんなシミュレーション上の数字に触れて、とても勉強になった。だけど、僕がその話を受けたモチベーションがどこにあったのかというと、利益を出すことではなく、いかにお客さんに楽しんでもらう店をつくることができるか。この1点だったように思う。

 

 

 ※僕が立ち上げに動いていたパチンコ屋さんの原型はこんな感じでした。

 

営利企業はその名の通り、利益を出すことが最大の目的だ。僕はそこにあまりモチベーションがないので、いまはNPO法人、要するに非営利法人をつくって運営をしているのだけど、ここにきてひとつ、自分で店をつくってみようかという気になってきた。

 

たとえばセブで日本食屋を始めようとしたら、席数30程度の小さな店でも700~800万円くらいは初期費用でかかると思う。もちろんそんなお金は僕にはないし、現場を任せられるような料理人のツテもないのでやらないが、僕がやりたいと考えているのは現地人に向けたドローカルの食堂。これなら、僕個人にも捻出可能な初期投資20万円くらいでつくれるんじゃないかと思う。

 

※フィリピンのローカル食堂。鍋の中から自分の好きなおかずを選ぶスタイル。

 

ちょうど、いまの事務所の目の前に空いているあるペースがある。ここに食堂をオープンさせたとして、セブンスピリットに通う子どもたちのお母さん、その希望者にローテーションで働いてもらう。そうすることによってまず、1日200円程度の収入で暮らしている家庭の収入増につながる。さらにセブンスピリットでは週末スタディツアーに参加する留学生や子どもたちに食事を用意する機会がわりとあって、いままではこれを外部に頼っていたのだけど、食堂があればすべてそちらでまかなうことができるようになる。

 

それだけでもメリットは大きいのだけど、この地域はいわゆるストリートの子どもたちがたくさんいるので、そういう子たちがセブンスピリットにくる、ひとつのきっかけもつくれるんじゃないかと思う。

 

※事務所の近くの路上ではこんな子たちが寝ていたりします。

 

たとえば、だ。その食堂は子どもなら無料で食事ができるようにしたいと考えているのだけど、ただ食堂に行ってメシを食うのではなく、まずは食堂の前にあるセブンスピリットの事務所にきてもらう。そこでうちのスタッフを相手に、昨日はこんなことをしたよ、というような話を5分でも10分でもいいので話してもらって、そのあとに食事券をわたすようにする。こうすれば、その子たちは日常的にうちの事務所にやってくるのが習慣になってくる。

 

人間というのは習慣によって生きるものだと僕は思っているので、まずはそういう習慣をつくる。セブンスピリットにくることが当たり前の習慣にさえなってしまえば、そこからは僕たちの本職だ。いくらでも彼らが人生を変えるきっかけをつくることができる。

 

まあ、子どもに無料で食事を提供するのだから利益なんて出ないだろうが、利益以上のメリットはたくさんあるし、なによりパチンコ屋をやろうと思ったときと同じく、僕のモチベーションは利益ではなく楽しみだ。僕がいつか死ぬ間際に振り返ったときに、初めて自分でビッグを揃えたあの瞬間を思い出すように。初めて万枚を出したあのときを思い出すように。ガイドに入って嬉しかったときのことを思い出すように。セブでドローカルの食堂をつくったことも、人生の良い思い出になるんじゃないかと思っている。

 

人生は、思い出づくり。死ぬまでにひとつでも多くの思い出をつくれるよう、生きたいと思っています。

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