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パチンコ・パチスロブログ

元クズ田中

ブラックリールの憎いやつ

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公開日: 2018/09/20

NOKKOの『人魚』を聴けば中学時代の苦しかったバスケ生活を思い出すように、globeの『DEPARTURES』を聴けば高校をさぼってアキオの家でグダグダしていたことを思い出すように、歌と記憶というのはある種、セットになっているものだが、パチスロも同じように記憶とセットになっていて、特定の台を見ると当時のことを思い出す。

 

たとえばエレコのイーカップを見ると、僕がまだ19歳のころ、東京の亀有に住んでいたことを思い出す。全財産7万円を握りしめて愛媛から上京したあのころは、最悪の時代だった。金はないし、友だちもいない。朝イチから打ちに行って負けたら家に戻り、真っ暗な部屋で当時に流行っていたZIMAをひたすらに飲み、閉店間際になるとデータチェックへ行くという、ただそれだけの日々。気がつけば全財産をスロで溶かし、愛媛から持ってきていた初代プレステを叩き売って得た、いくばくかの金を握りしめて目を血走らせながら打ちに行ったのが、エレコのイーカップだった。

 

 ※4thリール、通称ゴルフリールでショットを打つキャラの名前はトラキ。虎と木。そう、由来はタイガーウッズだ。

 

まあ、そのあたりの極貧時代は、当時に知り合った女の子の家に転がり込むことでなんとか出費を抑え、たまに送られてくるバアちゃんからのお小遣いと消費者金融から渡された魔法のカードによってなんとか切り抜けたのだけど、それ以外にもいくつか印象に残っている台はあって、そのひとつが、今週に導入されたアクロスの『アレックス』。その初代、4号機のソレだった。

 

CT機であればその時点で合格。ブラックリールならそれだけで評価5割増し。個人的に僕がパチスロを評価するときの基準なんてそんなものなので、もちろんブラックリールのアレックスは当時からど真ん中。18歳当時は愛媛でハムの配達をしていたので、配達が終わると夕方からまずは同配列のビーマックスでビッグ回数が多い台を適当に打ち、閉店30分前になるとアレックスに移動して、これまたビッグ回数の多い台を狙ってがむしゃらに打つというハイブリッドな立ち回りでそこそこ勝っていた(その店のデータは総回転数もREGもなく、表示されるのはビッグ回数のみだった)。

 

たしか過去にもアルゼから『アレックス7R』という台が出ていたと思うが、あれは僕の中ではなかったことになっているので、今週に導入されたばかりの懐かしのブラックリールとは約20年ぶりの再会。当時と同じように左リール下段7狙いで中・右は適当という打ち方をしていたら、第2と第3でテロリロ~ンと確定音が鳴ってバー。お次は予告音なしからブドウの取りこぼしかボーナスかという出目でナナ。閉店前30分はアレックスがやけに連チャンするぞと、ドル箱を小脇に抱えて貪欲にカニ歩いていた20年前を思い出す。

 

 

あの頃は良かったなんて言うつもりはない。つかの間の時間つぶしで6000円負けはいまの僕の金銭感覚では痛いけれど、それもまあいい。だけどキラキラと光り輝くブラックリールに目をヤラれて、打ち始めからたった30分で左リールの7がほとんど見えなくなってしまったのはいかがなものか。

 

時間というのは正直で、ときに残酷だ。20年の時を経て目押し力を失った僕は、いったいその間になにを得たのか。エレコがイーカップをリメイクする日は果たしてやってくるのか。今日は部屋を真っ暗にしてZIMAでも飲みながら、そんなことを考えたい気分である。

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