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パチンコ・パチスロブログ

元クズ田中

馬面の女装男に告ぐ。

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公開日: 2018/12/13

フィリピンではじめてスマホをなくしたのはいつだったろうか。いまから7年くらい前、セブの繁華街、マンゴーストリートで10歳前後の子どもたち5~6人に囲まれ、右ポケに入れてあったiPhoneを盗られたのが恐らく最初。泥酔して家のゲート前まで帰ってきたもののそこで力尽き、玄関前の路上で朝まで寝て、起きたときには身ぐるみはがされていたこともあった。そんなふうにこれまで何度か、スマホをなくしてきた。

 

 

※セブの友人の電話帳を見ると、何度も僕(セブではヒデと呼ばれています)の電話が盗まれ、番号がかわったことがわかります

 

ちょうど今週の月曜日もそうだった。飲み屋から出たのが24時ごろ。家から3分の距離だったので歩いて帰ろうとしたら、性別は男性だが女性の格好をしたヤツが、しつこく遊びに行こうと声をかけてきた。まあ、客を引いていたんだと思う。ただ、超ド級のレディボーイなら話は別だが、馬面の女装男としけこんでチャンバラをする趣味は僕にはない。無視してそのまま歩いていくと、ソイツはしつこく後をついてきた。

 

馴れ馴れしく体に触れてくるソイツを振り切り、寝ているガードマンを叩き起こして家のゲートを入ったところでソイツは当然、外に取り残されるかっこうとなったが、そのまま部屋に入ればいいものの、友人が別の店で飲んでいることを思い出し、そこに合流しようと考えた。これが間違いだった。ゲートを出たらソイツはまだそこにいて、僕が通りがかりのバイクタクシーにまたがった瞬間を狙って、ポケットをまさぐった。

 

クリスマスが近づくと、毎年、スリや置き引きといった犯罪が大幅に増える。家族と一緒にチキンを食べたい。子どもにプレゼントを買ってあげたい。それぞれにいろんな理由があるのだろうが、それを盗みによってまかなうのはいかがなものか。

 

盗んだ金で買ったケーキは旨いのか。盗んだ金で買ったプレゼントで子どもは喜ぶのか。そう憤ったところで、ふと昔の記憶がよみがえってきた。

 

いまから20年以上前。パチスロを覚えたての僕はどうしても打ちに行きたくて、実家の、新聞やダスキン代を支払う用の財布からお金を抜いて、打ちに行ったことがあった。

 

※打ちに行ったのはもちろん、山佐のピンクパンサー。お金を取ったオレが悪いんじゃない。お金を取らせたピンクパンサーが悪いのだ。そう思わせるほどに熱中した台だった

 

ある日はバレないように500円玉一枚を拝借。サンドにそれを投げ込むと、当然、25枚のコインが出てきた。いくらボーナス確率の軽い昔のボーナスタイプといっても、たった25枚。何もそろわなければ8Gと余り1枚で終わってしまう、吹けば飛ぶような持ちコインだ。プレイできる時間は、1分にも満たないだろう。

 

その8Gを僕は、1時間かけてじっくり打った。レバーを叩くまでに5分。レバーを叩いたらどこを狙うかリールが自動停止するギリのギリまで悩み、ああすれば良かった。こうすれば良かったと反省をし、また、次のレバーを叩くまでに時間をつかう。

 

その8G、実際にはリプレイが揃ったので9Gだったと思うが、その9Gは、500円を盗んだ背徳感もあいまって、いまでも心に残る濃密な9Gだった。

 

家の財布から盗んだ金で打ったスロだって楽しかったんだ。盗んだ金で買ったチキンだって、きっと旨いだろう。盗んだ金で買ったプレゼントだって、子どもは同じように喜ぶだろう。

 

因果応報。あのときの500円の代償としてスマホは盗られたんだと、受け入れる。だから馬面の女装男よ。味がなくなるまでチキンの骨にしゃぶりつけ。そしていつの日か、貴様も報いを受けるがいい。

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