アルコールと約束
記事一覧へ公開日: 2019/03/29
あれはまだ僕がガイドに入って間もないころだから17年くらい前の話だと思うが、アニマルかつみお兄さんと当時、お兄さんが住んでいた最寄り駅の居酒屋で飲むことになった。
ほとんど会話もしたことがないような関係性のなか、緊張を酒の勢いでごまかしながら話を進めていくうちに、当時の僕の風貌からヤンキーの話題になり、ヤンキーと言えばカール・カナイのジャージだよねと、そんな話になった。
Wikipediaによるとカール・カナイとはアメリカ発のヒップホップブランドのようで、たしかに当時のヤンキーはよく着ていたし、実際に僕も高校生のときに東京へ修学旅行に行った際に、原宿の竹下通りそばにある店でカール・カナイのシャカシャカしたジャージを買っていた。
※僕はヤンキーに対して憧れをもっていたが、愛媛ではちょうど僕の代からヤンキー文化がなくなってしまった。でも、このKANIジャージが僕は好きだった
そんな話をしていたら、お兄さんから「3日後にあるガイドの会議に、二人で編集部にカール・カナイのジャージを着ていこうぜ」と提案があった。
お兄さんと王様の言うことは、絶対。もちろんですと返事をして3日後にシャカシャカジャージを着ていったら、お兄さんはいつもと同じ、裾がラッパ型になっている細身のジーパンを履いていたものだから、あれれおかしいなと、そう思ってジャージの話をしましたよねと訊ねたら、「そんな話、してないよ」と一蹴されたというお話なのだけど、長い前置きでなにが言いたかったのかというと、酒の席での約束なんて、ほとんど誰も覚えちゃいないのである。
※言っておくが、お兄さんが悪いのではない。酒の席での冗談を真に受けた僕が悪いのだ。もう一度言う。提案したことすら覚えていなかったお兄さんは、ぜんぜん悪くない
DMMの動画にアロマティックトークという沖さん、グレート巨砲さん、木村さんの3人がお酒を飲みながらトークをする番組がある。去年、僕がたまたま飛び入りで参加した際に大喜利の答えを振られ、鬼スベリした際に、お前フィリピンからも大喜利の回答を送れよという話になり、いまちょうどアップされている♯137の回で沖さんのイチオシとして取り上げられたのだけど(スベってたけど。名前は沖サーファー)、そんなことなんて誰も覚えちゃいないのだ。
投稿したって1円にもなりやしない、スベるリスクしかないもののために僕は遠く離れたフィリピンでひとり考えた。ひとつやふたつでは不安だから、6つくらい答えをひねり出し、ラブレターを出すような心境で送信ボタンをクリックしたにもかかわらず、放送では「沖サーファー? 誰それ?」。そりゃないぜベイベーである。
嘘はつかない。約束は守る。小さなときに教えてもらったことをこれまで忠実に守ってきたが、もうヤメた。これからはもっと気楽に、適当に生きてやろうと決意したわけだが、せっかくデビューしたハガキ職人をすぐに引退してしまうのも、もったいない。これからも不定期でフィリピンより投稿していこうと思っているが、ここでお願いです。僕の投稿名である「沖サーファー」と同じ名前で投稿している、いわゆる成りすましさんがいるようで、僕の投稿と見分けがつかないと聞きました。
別にこの名前を僕は商標登録しているわけではないので、使いたければどうぞ自由に使っていただいて結構なのですが、そのかわり、どうかスベらないでください。僕のかわりに爆笑をとって、僕の評価を高めてくれることを期待しています。
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